2022年1月にグランドオープンした「セイコーブティック 大阪心斎橋」は、セイコー専門店として世界最大級の売り場面積を誇り、豊富なラインアップが特徴です。ラグジュアリーブランドが立ち並ぶ大阪市の中心部・心斎橋エリアの大通り、御堂筋沿いにあって、ひときわ高級感のある外観が目を引きます。店内では、専門のスタッフによる接客が受けられるとあって、初めての腕時計を探している人から、新作を購入したいファンまで、多くの人が訪れます。
腕時計の魅力を広く伝えようと活動し、登録者数は7万3千人を超える「腕時計YouTuber」RYが、2022年のビッグニュースの一つとして挙げるのが、伝説的なモデルである『キングセイコー』が半世紀ぶりに復活を遂げたこと。『キングセイコー』とはどんなモデルで、何が評価されてきたのでしょうか? 『やさしい腕時計』(ラジオ関西Podcast)で共演する、ラジオ関西の春名優輝アナウンサーとともにブティックを訪れ、見て、触って感じてきました。
◆半世紀ぶりに復活! キングセイコーは何がすごい?
キングセイコーを初めて目にしたという春名アナ。それもそのはず、セイコーブティック 大阪心斎橋を含め、全国でも限られた店舗でしか販売されていないそうです。スタッフの安達さんに話を聞きます。
【春名】 安達さんがいま最も注目してほしいモデルが、このキングセイコーですね。
【安達】 はい。およそ半世紀ぶりに復活しました。今回の復活にあたり参考にしたのが、1965年発売の2代目のモデルです。通称“KSK”と呼ばれている傑作です。今では当たり前にありますが、当時は高い防水性能や秒針を止めて時刻合わせができる機能など、実用的な部分が高く評価されたのです。
【RY】 デザインは全く古さを感じません。
【安達】 ダイヤルレイアウトに無駄がないからでしょう。エッジを立たせた、シャープなケーススタイリングと、ボックス型のガラス形状など、オリジナルをしっかり受け継いでいます。今回の復活にあたっては、デザインやコンセプトを再検証してエッセンスを残しながらも、今の時代に相応しいブランドに生まれ変わらせたのです。元々、評価の高いモデルの復活なので、デザイナーはとても苦労したと聞いています。
キングセイコーが生まれた1960年代は、まさに国産時計の黄金期であり、名作時計が次々と生まれました。セイコー内では二つの工場が競い合った結果、それぞれが『グランドセイコー』と『キングセイコー』を生み出した歴史があり、まさに兄弟モデルといえます。しかし、キングセイコーは1970年代に入り廃盤に。半世紀の時を経て、2022年に「復活」したのです。
◆キングセイコー、着けてみた!
【安達】 ぜひ、着けてみてください。50年前と変わらない腕に乗せた高揚感を感じられるはずです……!
【RY】 では失礼します……! ケースは、サテン仕上げとポリッシュ仕上げが綺麗に分けられていて立体感がありますね!
【春名】 鏡のように反射する部分とそうではない部分がうまく組み合わさっているのですね。
【RY】 なるべく曲線を使わず平面で仕上げることによって、より光を反射させています。これがセイコーらしさですよね。そしてケースとブレスレットの一体感も素晴らしい! ブレスレットを触ると動きに合わせて光がキラキラと流れます、宝石のような輝きです。