神戸市西区にある『アイコニーストア兵庫』では、国産ヒノキの家具やおもちゃの製造販売をおこなう。同店のアイテムは、幼稚園や保育園、子育て施設などで広く導入されているという。
ヒノキを使った商品開発のきっかけを『有限会社新宅善廣商店・アイコニーストア兵庫』の丸田靖典さんに聞いた。
現在、ヒノキは日本と台湾にしか生息しておらず、日本でも特定の地域のみでしか育たない貴重な存在だそう。
「ヒノキは昔から需要の高い木です。戦国武将はヒノキ風呂に入って痛んだ体を休ませたり、寺や城の建材として多用していました。その理由としてはやはり耐久性やリラックス効果が認められていたからだと思います。近年、化学的にもその効果は実証れています」(丸田さん)
世界でのヒノキ評価は年々高くなるいっぽう、国内普及は足踏み現状だという。たとえば、戦後に植えたヒノキが価格高騰などの問題で収穫時にもかかわらず伐採しないまま手付かず状態にあるそうだ。
そこで同店はヒノキの魅力や思いを受け継いでいくために、ヒノキを使ったおもちゃを誕生させた。本来の香りや木目を楽しめるよう、あえて塗装加工は施していない。
「子どものうちからヒノキに触れることで、ヒノキ普及の未来につながるのでは……と考え、おもちゃの製造販売をはじめました」(丸田さん)
“子どもに木の良さを伝えたい”と考える丸田さん。なぜだろうか?
「小さな頃からヒノキの良さを体感することで、木に親しみを持ってもらうことがねらい。木材活用人口が増えることで、国内の林業家が活性化するし、計画伐採された木の利用機会も多くなる。ひいては木材業界全体への貢献につながるのではないかと」(丸田さん)