2023年の初春を祝う姫路市の新年交礼会が4日、姫路商工会議所大ホールで開かれた。新型コロナウイルス感染予防のため、案内対象をしぼり込んでの挙行は3年連続。国・県・市議会議員や商議所役員、各種団体トップなど、通常時の3割程度の240人が出席した。
主催者あいさつでは、コロナ禍からの反転攻勢を期待する声が目立った。清元秀泰市長は、昨年から参加している総務省消防庁の「マイナンバーカードを活用した救急業務の迅速化・円滑化」実証実験を解説しながら、「命を守るためのデジタル改革に取り組んでいく」と力を込めた。また、12月11日に迎える姫路城の世界遺産登録30周年に向け、新たにアクリエひめじ(同市神屋町)で、英国ロイヤル・バレエ団(7月8日)やベルリン・フィルハーモニー(11月18日)の公演が決まったことを紹介。「DMO(観光地域づくり法人)を核とする新たな国際戦略で、姫路を次のステージに上げていく」と各界の協力を求め、続いて宮本吉秀市議会議長も「世界遺産30周年を機に街へにぎわいを取り戻したい」と抱負を述べた。
また、姫路商議所の齋木俊治郎会頭は、大発会(証券取引所における1年間の初日)の日経平均が一時400円を超える下げ幅を見せたことに「今年は世界的な景気後退があるかもしれない。特に上半期は大きな期待はできないだろう」と憂慮しつつも、ロシアの攻撃が続くウクライナが2030年に「復興万博を」と名乗りを上げていることを取り上げ、「未来に絵を描くことで人々に希望を与えられる。われわれも希望を持って乗り越えていきたい」と鼓舞激励した。
このほか、2度目の大臣就任となった松本剛明総務相は、播磨臨海地域道路や姫路港のカーボンニュートラルポート形成を例に出して「未来に向けたプロジェクトに着実に日付を入れていく」とし、姫路経営者協会の竹田佑一会長は「企業で一番の課題は人手不足。経協として人材育成、人材獲得へ努力していく」と地元発展へあらためて決意を示した。
最後は、末松信介参院議員をはじめ、地元選出国会議員、県会議員らの手締めで各界トップが威勢良く鏡開きを実施。飲食は自粛したが、にぎやかな雰囲気の中で1年のスタートを切った。
(取材・文=播磨時報社)