また、奈良県の自然環境も金魚が育ちやすい背景となっているとか。
「奈良盆地は昔から農業用の溜池が多い土地です。また、日当たりも良いため金魚の稚魚の餌となるミジンコも発生しやすく、魚の養殖に適している環境だと言われています」(NARA KINGYO MUSEUM)
かつて貴族の高価なペットだった金魚も、明治時代に差し掛かる頃には庶民の手に届くように。昭和時代に入ると、ドライアイスやポリエチレン袋が普及し始めたことで長期間の輸送が可能になり、奈良で生まれた金魚が世界でも知られるようになっていきます。
「さまざまな歴史的背景もあり、奈良県の中でも特に大和郡山市は金魚にまつわる文化が多いと感じます。市役所や商店街など、あちらこちらに場所に金魚が展示されていますし、1年中金魚すくいが体験できるお店もあります。他県に比べると金魚に触れ合う機会は非常に多いと思います」(NARA KINGYO MUSEUM)
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鹿のイメージが強い奈良県、ですが金魚とも深い縁で結ばれていたのでした。もし奈良を訪れることがあるなら、金魚にまつわるスポットを巡るのも楽しいかもしれません。
(取材・文=つちだ四郎)
◆NARA KINGYO MUSEUM
〒630-8012 奈良県奈良市二条大路南1-3-1 ミ・ナーラ4F
電話番号 080-4689-2142
開館時間 10:00~18:00
奈良金魚ミュージアム 公式サイト