兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市)で、特別展「教えて!兵庫陶芸美術館―収集と展示のQ&A―」が開かれている。
同館学芸課の村上ふみさんによるこのリモート・ミュージアム・トークでは、見どころや作品の背景などについて、2回にわたって紹介する。第1回は「収集のQ&A」。
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兵庫陶芸美術館では、2023年2月26日(日)まで、特別展「教えて!兵庫陶芸美術館―収集と展示のQ&A―」を開催しています。本展では、「収集」と「展示」という美術館の“活動”に焦点をあて、開館18年目に入る当館の収集活動や展覧会、美術館展示について紹介しています。
兵庫陶芸美術館には、現在3000件以上の作品が収蔵されています。その母体となったのは、全但バス社長の田中寛(1904~1981)が収集し、1996年に財団法人兵庫県陶芸館から兵庫県に寄贈された、835件の丹波焼を初めとした兵庫県内産地で作られた古陶磁の作品群「田中寛コレクション」です。このコレクションの受贈は、兵庫陶芸美術館開館のひとつの契機となりました。
そして、丹波焼や兵庫県内の古陶磁、国内外の現代陶芸を収集の柱に据え、開館前から現在までの継続した収集活動によって、次第に当館ならではのコレクションが形成されていきました。
収蔵品はその美術館を特色づけるにあたり、大きな役割を担っているといえます。本展ではコレクションの優品と合わせて、収集した作品がどのように収蔵庫で保管されているか、また、どのように活用されているか、作品の貸出なども含め、その活動の一端を紹介しています。
「丹波《壺 銘「布引」》」は、丹波焼の逸品であり、当館の丹波焼を代表する作品です。通常、常設展の「丹波焼の世界」に展示していますが、展示室を移動し、本展に出品中です。
作品はどのように収蔵庫で保管されているのでしょうか。普段作品が入っている箱や、緩衝材も一緒に展示し、紹介しています。