《阪神・淡路大震災28年》都市の「液状化現象」から知る~どんな土地が安全なのか?日本地震学会・西影裕一さん | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《阪神・淡路大震災28年》都市の「液状化現象」から知る~どんな土地が安全なのか?日本地震学会・西影裕一さん 

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 昨今、温暖化現象で海水面の上昇が心配されているが、今から約6千年前、現在より2℃ほど気温が高かったため海水面は4mほど高かった。これを「縄文海進」という。つまり、現在の標高4mあたりまで海が入り込んでいた。それより低いところは砂浜だった場所が多い。昔、塩田があったところは砂浜だった。
 また、4mより低い場所は砂の他に粒の小さい泥・粘土が堆積しており、水はけが悪く軟弱地盤であることがある。このような地形を「後背湿地(こうはいしっち)」という。

国土地理院「土地条件図」(画像は兵庫県姫路市の沿岸部 ※画像提供・西影裕一さん)

 旧河道や後背湿地は、国土地理院が発行している「土地条件図」に記載されている。土地条件図は細かく高低・地形分類等を表した地図で、災害を起こしやすい地形的条件なども表示してあり、自然災害の危険度を判定するのにも役立つ地図である。主に都市部、海岸線沿いのみであるがインターネットでも検索できる。また、市町村から発行されているハザードマップや地質図・地形図に記載されていることがある。

砂層の直上に建物や道路が 白く見えるのは2枚貝の殻 <東京都江東区新木場 2011年3月26日撮影 ※画像提供・西影裕一さん>

 地形や地盤・土質を調べることは、決して難しいことではない。土地が低い場合は、建物の地盤面を周囲の土地より高くすると被害を防げる可能性が高い。さらに砂を取り除きコンクリートの”ベタ打ち”=底盤一面を鉄筋コンクリートにする方法もある。杭を打つのも効果がある。家屋を建てる前に砂層の水を抜いて安定させることも可能だ。こうして選択肢が広がる。
 被害を受けてからの修復コストは、初期コストよりはるかに膨らむ。 このほか水害対策として家の周辺にブロックやコンクリートを積み、出入口前には木板をはめ込めるようにして浸水しにくいようにする方法がある。土嚢の準備も忘れないようにしたい。

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