「江の島をタツノオトシゴが戻ってくる海にしたい」ビーチクリーン活動を続ける思いと、ゴミから分かる海の現状 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「江の島をタツノオトシゴが戻ってくる海にしたい」ビーチクリーン活動を続ける思いと、ゴミから分かる海の現状

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 林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)とフリーアナウンサーの田中大貴(元フジテレビアナウンサー)がパーソナリティーを務めるラジオ番組『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』(ラジオ関西)。2023年1月16日放送回に、NPO法人「海さくら」理事長・古澤純一郎さんがゲストとして登場。ビーチクリーン活動を行い続ける古澤さんの思いなどについて話を聞いた。

写真左から、林歳彦氏(会社経営者・環境活動家)、フリーアナウンサーの田中大貴、NPO法人「海さくら」理事長・古澤純一郎さん(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 古澤さんが理事長を務めるNPO法人「海さくら」は、2005年から神奈川県の江の島で「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!」を合言葉にビーチクリーン活動を行っている。「かつて江の島に生息していたタツノオトシゴが戻ってくるくらい、きれいな海にする」ことを目標として、活動は今年で18年目を迎える。

 古澤さんは、江の島に流れ着くゴミについて「7~8割が街から来るゴミ」だと明かす。

「道路の脇にある排水溝に落ちたゴミ、たばこのフィルター、あめ玉の袋など小さいものが下水道を通って川へ行き、川から海にたどり着く。つまり街のゴミがなくならない限り、湘南はきれいにならないですから、街に伝えていかないといけないですね」(古澤さん)

 さらに海に流れてくるゴミには“時代”も大いに反映されているらしく「コロナになったら、もう(流れてくるゴミは)マスクだらけ、不織布だらけになりますし、たばこのフィルターも電子たばこに変わってきたり、あめ玉も同じようなものが流れてきて、どんな商品が売れているのかが分かりますし……。すごく社会を反映すると言いますか……」と、ゴミを通してトレンドが分かってしまうと苦笑を漏らす場面も。

 そして、現在の海の状況について古澤さんはこう語った。

「昔よりゴミ拾いをする人たちが増えて、湘南海岸でも16万人以上が年間で(ゴミを)拾ってくれているんですけど、小さいゴミはなかなか拾いにくいですね。放置ゴミといわれる大きなゴミはほとんどなくなったので、一瞬見るときれいなのですが、砂浜に膝をついて見るとマイクロプラスチック(5ミリ以下の小さな破片)だらけです。最近では、鯛も2匹のうち1匹は養殖後に放流されたものだったり、アワビも9割近くがもう湘南では育たなくて10匹のうち9割が養殖されていたり……僕たちの目に見えないところで魚が育たない状況になっている。これはもう本当に(海を)どうにかしなくちゃいけないと思いますね」(古澤さん)

NPO法人「海さくら」理事長・古澤純一郎さん(写真:ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』)

 江の島の海をきれいにする目標を掲げて活動を続け、約20年。昔と現在で捨てられるゴミの量に変化はあったのだろうか。田中アナがそう尋ねると、古澤さんは「あまり変わってないと思います」と回答。さらに「でも、拾ってくれる人が増えたので海岸は比較的にきれいに見えるようになってきました」とも話し、ゴミの量ではなくゴミを拾う人が増えただけだと現状を明かした。

「やはり小さいゴミは拾いきれないのでそれをなくせるようにしたり、街のゴミが海に行くということを街の人が知ってくれたときに、ようやく海のゴミは減ってくるんじゃないかと思います。まだ、みんな『海外からゴミが来た』『遊びに来た人が捨てた』と思っているのでしょうが、もう7~8割のゴミが街から来ているので。ポイ捨てしない方ばかりだと思うのですが、ゴミ置き場がカラスに荒らされてゴミが排水溝に落ちたり、川の近くにゴミ置き場があると風に飛ばされたゴミが川に落ちて海へ行きますし。とにかくゴミの発生源はいたる所にあるんです」(古澤さん)

 番組の最後に、古澤さんは、大人から子どもまで多くの人に海について知ってもらうための取り組みについて、次のように今後の展望を語った。

「『タツノオトシゴが戻ってくる江の島にする』というのは僕が生きているうちに絶対に叶えたい目標なので、今後もその夢は変わりません。もう1つは、子どもの海離れが加速していることですね。日本財団による2017年の調査では、海に関心のない10代の子どもがもう4割以上になっていて……これは大ピンチですよ。一見、何もない海でも、磯や魚など何かはいるもの。ただし、(今では)それだと子どもは来てくれないし、親が(子を)連れてこない。じゃあ、どうすれば良いのかというところで、海をきれいにしたり、いろんな展開を考えたいですね」(古澤さん)

 なお、ビーチクリーン活動の普及の一環として、大阪・淀川で月に1度ゴミ拾いを行っている関連団体のNPO法人「大阪海さくら」が、10周年記念イベントを1月29日(日)に梅田のバナナホールで開催する。「【大阪海さくらスマイル10周年ライブ】〜ありがとう! これからもよろしくネ!!〜」には、ウルフルケイスケや冨田京子(プリンセス プリンセス)、高木まひことシェキナベイベーズ(※「高」=はしごだか)、有山じゅんじらが出演するほか、古澤さんも参加し、海への思いやビーチクリーン活動の意義などを語る予定だという。イベントの詳細は大阪海さくらの公式サイト、または、バナナホールの公式サイトに掲載されている。


■NPO法人『海さくら』公式HP
■NPO法人『大阪海さくら』公式HP

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としちゃん・大貴の ええやんカー!やってみよう!! | ラジオ関西 | 2023/01/16/月 19:30-20:00

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