避難リュックの作り方を紹介したのは、「兵庫県防災士会」。避難リュックに入れるべきものは何か、カードを用いながらゲーム感覚で伝えます。小中学校で、子どもや先生に向けて防災に関する情報を発信しているという70代の女性は、震災で親族を亡くしました。「震災のつらさが分かるからこそ、若い世代に防災の知識を伝えたい」と話します。
交流ひろばには、高校生の姿も。東洋大姫路高等学校の地域活性部「PROJECT TOYO」は、地域資源を利用した備蓄食を紹介。駆除された鹿のいのちをつなぐため、「鹿肉」を使った缶詰を考案しました。1年生の江見采香(えみあやか)さんは、「災害時、食事ができないのは困ると思う。すでに備えているという人にも缶詰を手に取ってほしい」と話します。
江見さんは、震災を経験していない世代。震災当時の話は、家族から聞いているそう。その教訓を日々の生活に生かすため、「(地震の時に)倒れそうな家具は固定し、寝る前にはガス栓を閉めるよう心がけている」といいます。
兵庫県危機管理部防災支援課の奥見啓五課長は、「自然災害のリスクはどこにでもある。食料を備蓄する、災害時の集合場所を家族で決めておく、普段から近所の人に声をかけるなど、普段の生活の中でできる備えもある。それに気付き、取り組むきっかけの日にしてほしい」と呼びかけました。
自分と家族のいのちを守り、しっかりと生き抜くために、災害への備えを今一度見直したいものです。
(取材・文=岡本莉奈)