サッカー・J1のヴィッセル神戸は1月10日から20日間、沖縄でトレーニングキャンプを実施。29日にすべての日程を終えて、神戸に戻った。
期間中は3度、一般やメディア向けにトレーニングの様子を公開。そのなかで、最後の公開日となった27日に現地取材した模様をレポートする。
神戸も厳しい寒さに見舞われたこの週、記者が沖縄に入った26日は好天で南国らしい暖かさもあったが、取材日となった27日は風速10メートルはあろうかという海からの強い風の影響からか、肌寒さも体感。時々、雨もぱらつくあいにくの天候に見舞われた。それでも、2次キャンプ地となった恩納村の赤間運動公園には、大黒柱のMFアンドレス・イニエスタ選手をはじめとするヴィッセルの選手たちを一目見ようと、平日午前中にもかかわらず多くのサポーターが訪れていた。
この日は、午前10時前から練習がスタート。若手とGK以外の選手たちはジムでのトレーニングやピッチでのジョグなど、軽めの調整を実施。イニエスタ選手やFW大迫勇也選手、MF汰木康也選手らがリラックスした表情を見せていた。
一方で、昨シーズンの負傷からの復帰を目指すMFセルジ・サンペール選手や、今シーズンからトップ昇格したMF安達秀都選手やDF寺阪尚悟選手といった若手らがボールワークで汗を流せば、GK陣はシジマールGKコーチのもとで約2時間にわたってハードトレーニングを展開。正午ごろに公開練習は終了した。
ここまでのトレーニングキャンプを振り返って、吉田孝行監督は「序盤はフィジカル(メニュー)を中心にやってきて、そこから戦術(のトレーニング)を徐々に入れていき、いまはゲームをたくさんやっている段階。たくさんのトライとエラーを出して修正しているところ」とコメント。選手たちの様子については「まだ100パーセントまでは来ていないが、7~8割くらい、ゲームができる体力はついてきていると思う」と述べ、調整は順調のよう。神戸に戻ってから開幕に向けて突き詰めたいことについては、「戦術のベースを今、やっているところなので、そこから細かい部分をこだわっていきたい」というクラブのレジェンドは、ファン・サポーターに向けて、「今シーズン、タイトルを目標に、チーム一丸となって頑張ります。ぜひ応援をよろしくお願いします」とメッセージを送っていた。
また、今シーズンも正守護神として活躍が期待されるGK前川黛也選手は、「今までの始動日よりも早く始まったなか、すごく強度の高い練習をしっかりキャンプ中にこなせているので、すごく充実している。それとともに、今まで以上に身体のコンディション(のよさ)というのは、僕以外の選手も感じているのではないかなと思う」と手ごたえを語り、「このチームは残留争いや下のほうで戦うチームではない。もちろん、やるからには一番を目指してやらないといけない。ACL出場権獲得、そして、優勝を目指して頑張りたい」と抱負を述べていた。
チームはキャンプ最終日にJ3のFC琉球と非公開でトレーニングマッチを行い、沖縄での20日間を締めくくった。帰神後は数日のオフをとり、2月から調整を再開。4日にはホームのノエビアスタジアム神戸でJ3の松本山雅FCとプレシーズンマッチが予定されており、この一戦で今シーズン初めて、チームの実戦でのパフォーマンスが明かされることになる。そして、18日のJ1開幕戦では、ホームでアビスパ福岡と対戦する。
(ラジオ関西『GOGO!ヴィッセル神戸』より)