お城をテーマにしたパンが誕生した。今日2月1日(水)に発売された『尼崎城の城熱(じょうねつ)カレーパン』だ。あまりに異なるジャンルの“異色のコラボ”。開発した株式会社オイシス(兵庫県伊丹市)の生産本部長・植村幸治さんに、企画のきっかけや商品の特長、関西ならではと言えそうなエピソードなどについて聞いた。
尼崎城は、1617(元和3)年、戸田氏鉄が尼崎藩主に就いた際に築城。1873(明治6)年の廃城令後に取り壊されたのち2019(令和元)年に再建された、尼崎市のシンボル。家電量販店旧ミドリ電化の創業者・安保詮氏が「地元に恩返しを」と私財約12億円を投じて天守を建設し、同市に寄贈したことでも話題になった。一般からの寄付額も約2億円にものぼったという。
『尼崎城の城熱カレーパン』は、オイシスが、地域応援の取り組みの一環として企画・開発した。ベースとなる中辛カレーには、隠し味として尼崎の地域ブランド野菜「あまやさい」の小松菜を使用。「城熱」とのネーミングは、尼崎市の活性化に向けた“尼崎城の熱い取り組み”を表しているといい、オリジナルで製作したキャラクター「カレーパン侍」をパッケージにあしらっている。
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――城熱カレーパンはどのようにして生まれたのですか?
【植村幸治さん(以下、植村さん】 きっかけは、アンカー神戸(※1)でした。出会った人からのコラボ提案で尼崎城とつながり、ローカルで展開していきたい弊社の思いもあって実現しました。(本部や工場のある)伊丹は(地理的に)尼崎城の城下町と言えんこともないかなと(笑)。関西のノリもあるかもしれません。
企画から完成までは半年ほどかかりました。やっとこさ発売という印象です。
――「地域の応援」が背景にある商品なんですね。
【植村さん】 はい。そして今回のポイントは、お城との協業です。弊社は、ナショナルブランドとは異なり“エリア”に根差したメーカーで、取引先からも「こういう商品を待っとったで!」との声が聞こえてきています。尼崎城からも喜んでいただいています。
――カレーパンの特長を教えてください。
【植村さん】 「あまやさい」の小松菜をペーストにし、カレーフィリングに練り込むことによってなんとなくジューシーに、また、最後に少しほろ苦さを感じる味わいになっています。カレーパンというとちょっとスパイシーなイメージがあるかもしれませんが、今回は、子どもさんにも安心して食べてもらえるような“甘さ”にしています。
昨年12月の試食会では、お子さんからの評判も良かったと聞いていて、皆に受け入れられる商品なのかと思っています。カレーパンが嫌いな人は、あんまりいないんとちゃうかなと。いろんな素材を入れても成り立つ商品ですので、今後も取り組めたらと考えています。