――カレーと小松菜の組み合わせは珍しいのでは?
【植村さん】 企画段階で、“尼崎城の”と謳うからには地元の素材を使いたいという話になり、尼崎市の担当の方から「野菜があるよ」と提案を受けました。それまで、尼崎は“工業のまち”というイメージを持っていて、「あまやさい」の存在は今回の企画で知りました。
じつは、前段階では尼崎にゆかりのある調味料なども試したのですが、カレーに合うという面と供給量の面から小松菜になりました。
――「城熱」とのネーミングもいいですね。
【植村さん】 じつは、最初は「城下(しろした)カレーパン」でした。“城下かれい”という魚がいて……思いっきりダジャレなんですけど(笑)。でも、特に若い人は、きっとピンとこないよねという話になり、急きょ変えたという経緯があります。
――改めて、お城とのコラボはやはり斬新ですね。
【植村さん】 今回の企画は、我々にとっても、モノそのもの以上に “ストーリー”が新鮮でした。それが大きかったです。
9か所の工場に勤務する約3千人の従業員にも情報を発信しています。従業員の皆も、コロナ禍でいろいろと大変な思いをしてきています。この機会にぜひ尼崎城に足を運んでもらい、「うちの会社、面白いことしてるな」と前向きになるきっかけとしてほしい思いもあります。
――今後に向けては?
【植村さん】 今は、県内の複数の学校と共同で地元の農林水産物を使った商品を開発し、それぞれの地元で販売する企画を進めています。また、いずれ全国のお城から声が掛かることも期待したいです(笑)。
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「尼崎城の城熱カレーパン」は、1個135 円(税込)。関西、中国、四国(山口県を除く)エリアの、普段オイシス商品を取り扱っているスーパーマーケットやディスカウントストアで販売中。尼崎城では土曜・日曜限定で販売する。なくなり次第終了。併せて、オリジナル缶バッジのプレゼントや入城料の割引が得られるキャンペーンを実施。詳細は、尼崎城の公式ホームページに掲載されている。
※1 神戸市が開設した会員制コミュニティスペース。医療産業、ものづくり企業、起業家、研究者、学生、市民らが交流し、アイデアや思いをカタチにしてイノベーションを創発する。神戸新聞とトーマツが運営。