配信ライブ用に個人で本格的なマイクを購入した場合や、プロの現場でも気を付けたいのが、機材のねじの規格です。普段はラジオを陰で支えている技術スタッフが、ラジオ番組のなかで解説しました。
マイクを購入したとき、付属品の1つに、マイクホルダーがあります。マイクホルダーはスタンドにマイクを取り付ける部品になりますが、それぞれマイクの専用のものがあったりするので、意外と重要なパーツになります。
はじめて行ったスタジオや収録現場でマイクを設置するとき、マイクホルダーをマイクスタンドに付けようとしたら、その2つの接続部分が合わないということは、プロの現場でもあります。
音響機器に限らず、カメラや映像機器にも同じことが言えますが、機材を使用するときには、各メーカーの接続部がすべてが統一されているわけではないので、関連する機材同士がつなげられるか注意が必要です。
例えばマイクホルダーとマイクスタンドを違うメーカーで購入し、それぞれの規格が違った場合には、両者をつける接続部分に専用のねじをつけて調整し、取り付けられるようにしなければなりません。
マイクホルダーやマイクスタンドの接続部のねじにも様々な種類があり、それぞれにはねじの規格があります。一例を挙げると、ソニーのマイクホルダーやパナソニックの卓上マイクスタンドなどに採用されているのが、「PF1/2ねじ規格」。ねじ部分の直径が20.955mmと、かなり大きなタイプになります。
マイクスタンドでよく見るメーカーのK&Mのねじ規格は「3/8インチ」。ねじ部分の直径が9.525mmのものです。ほかにもクラシックプロ(Classic Pro)やタマ(TAMA)など、ほとんどのマイクスタンドは「3/8インチ」もしくは「5/8インチ」のものが多いです。「5/8インチ」はもう少しねじ部分が太いものを指します。ねじ部分が細い「5/16インチ」というのもあります。
持っているスタンドとマイクホルダーが合わない、という場合は、このねじ規格を確認し、必要なら変換アダプターを付けることで接続できる場合があります。
また、ミュージシャンがライブ会場で持ち込みマイクを使用したいとき、会場のマイクスタンドと、持ち込み機材のマイクホルダーがうまく接続できない、ということもあります。自分のマイクを使うときには早めに音響担当に渡し、チェックしてもらうと良いでしょう。
ラジオの取材用マイクで有名なシュア(Shure)の「SM63」などは、購入時にマイクホルダーが付いていなく別売りとなっている場合もあるので、スタンドにつけて使うときには確認して、事前に購入しておくと良いです。
※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2023年1月29日放送回より
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【放送音声】2023年1月29日放送回