【高浜さん】 魚とお肉の間のような味で安価、さらに栄養価が高いことから非常に親しまれていました。庶民にとっては、“栄養補給の王様”という存在だったのではと思います。
――調理方法は?
【高浜さん】 定番は「クジラかつ」「竜田揚げ」などで、カレーに入れられることも多かったです。個人的に最も好きだったのが、クジラと水菜を炊いた「ハリハリ鍋」です。すき焼きのようにしたり、うどん出汁で炊くこともありました。わが家ではすき焼き風が多かったです。
今でも関西のおでんにはクジラの皮を油で揚げた「コロ」や「さえずり」という舌の部位を入れることがありますよね。クジラが頻繁(ひんぱん)に食卓に出てくるので、「今日もクジラ?」と思っている子どもも多いかもしれないですね(笑)。
――給食でもクジラはよく出ていた?
【高浜さん】 現在50~60代以上の人たちはよく給食で食べていたと思います。「クジラかつ」「竜田揚げ」「照り焼き」が定番のメニューでした。当時は家庭でもよくクジラが出されていたので、いたって普通の食材という感じで、子どもたちは特に何も感じていなかったのではないでしょうか。
――いつごろから食べられなくなった?
【高浜さん】 商業捕鯨が停止した80年代からです。停止となってからは、それまでに多数流通していたクジラが一気に減少し、日本の食卓からも消えてしまいました。
しかし、2019年の商業捕鯨復活にともない、ここ10年ほどで給食にクジラを提供する学校が徐々に増えているという情報をよく耳にします。子ども達にまたクジラを食べてもらえて、本当にうれしく思いますね。
――今後、クジラ肉をどのような食材にしていきたいですか?
【高浜さん】 日本の食文化のひとつとして、おいしさを知ってもらいたいです。特に若い人には馴染みがないと思うので、食べてもらえる機会を増やし、「クジラはおいしい食材なんだ!」ということを次の世代にもつなげていけたらと思っています。
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1988年から停止していた日本国内の商業捕鯨が、31年ぶりとなる2019年に再開。それにともない、クジラ肉の流通は給食以外でも増加傾向をみせているそう。かつてと同等ではないものの、クジラ肉を提供するスーパーや魚屋、居酒屋も少しずつ増えているといいます。
高浜商店では、通販や店舗を通じて一般の方も購入可能。クジラ離れが進んでしまった現在だからこそ、古くから親しまれてきた日本の食文化を楽しんでみるのも良いのではないのでしょうか。
(取材・文=弘松メイ)




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