◆最古の衣装はルイ15世から贈られた「お詫びの品」
保管されている最古の衣装は、1747年にフランス国王ルイ15世から贈られたもの。ルイ15世の兵士が街中にあるしょんべん小僧の像を盗んでしまい、ブリュッセルの人々は大騒ぎ。これを知ったルイ15世は、お詫びに豪華な衣装を贈ったそうです。
◆公式の着付け係がいる
足や手は独特のポーズで固定されているので、着付けもひと苦労。そのうえ、像は屋外の高い位置にあります。衣装から付属品まで、そのすべてを不安定なハシゴの上で手早く着付けるのは、まさにプロの技。さらに、特製の縫製用型紙もあり、しょんべん小僧の象徴的な穴や、背面にある水道管用の穴も、しっかりと計算されています。
◆服をプレゼントするには?
実は、自由に服を贈ることはできず、ブリュッセル市市長・市会議員連盟に申請し、承認を得る必要があります。生地の素材を含めたいくつかの条件を満たしたものだけが、公式の衣装として認められます。
◆しょんべん少女の像も
マヌケンピスの像からほど近い場所に、しゃがんで用を足す女の子バージョンの像「Jeanneke Pis(ジャネケピス)」があります。こちらは1987年に設置されましたが、像を触る人が後を絶たなかったため現在は柵で囲われています。リアルな姿とシュールさという点では、「しょんべん少女」の方がよりクオリティが高いかもしれません。
普段なにげなく目にしていた「しょんべん小僧」ですが、その背景を知るとかわいさだけでなく、ベルギーのアイコン的存在であることに納得。今後街で見かけた際には、今までとは違った見方ができそうです。
(取材・文=市岡千枝)
◆GardeRobe MannekenPis(しょんべん小僧衣装博物館)
【公式HP】