中国で信仰された仙女 、西王母(せいおうぼ)のような伝説上の存在や、楊貴妃などの歴史上の人物だけでなく、日常に生きる女性たちもいる。描かれ方はさまざまで、美しい装いの女性を描いたいわゆる美人画もあれば、恐ろしい異形の存在に変化した姿で描かれたものもある。
風俗図などでは、生き生きと暮らす町の女性たちの姿は、見ているだけで元気になる。遊郭での遊女や芸妓の姿を描いた絵画や屏風の美しい装いも見どころ。
江戸時代、花柳界は女性にとって、流行の発信地としての要素が強かったという。それが絵画にも反映され、着物の柄や流行スタイルの移り変わりなどが見て取れる。
特に、慶長年間(1596~1615)後半に、京都の六条三筋(ろくじょうみすじ 京都市下京区・六条新町通と室町通の間にあった遊郭)の遊女歌舞伎を描いた『遊女歌舞伎図屏風』(桃山時代)は、賑やかな四条河原の姿を表現している。
また、『舞姫図』(木谷千種筆)は、小林一三氏と関係が深かった実業家・吉岡重三郎氏(東京宝塚劇場社長など歴任)の姪の作品。小林氏が1948(昭和23)年に大阪・曾根崎新地の様子を記した花柳小説集「曽根崎艶話」の挿絵にもなっており、その原画でもある。見事な着物の模様の色使いや、墨の濃淡で表した髪の毛の描かれ方も繊細だ。
■逸翁美術館 絵画で『女子会!』 ー描かれた女性たちー
期間 2023年1月21日(土)~3月12日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 700円(大学生・高校生 500円 / 小学生以下 無料)
問い合わせ 逸翁美術館(大阪府池田市栄本町12-27) TEL 072-751-3865