絵画で『女子会!』 ー描かれた女性たちー 遊女や町娘、伝説の美女も…大阪・池田 逸翁美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

絵画で『女子会!』 ー描かれた女性たちー 遊女や町娘、伝説の美女も…大阪・池田 逸翁美術館

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 中国で信仰された仙女 、西王母(せいおうぼ)のような伝説上の存在や、楊貴妃などの歴史上の人物だけでなく、日常に生きる女性たちもいる。描かれ方はさまざまで、美しい装いの女性を描いたいわゆる美人画もあれば、恐ろしい異形の存在に変化した姿で描かれたものもある。

松岡映丘筆「白猫枕草子絵巻」(大正~昭和時代)伝統的な引目鉤鼻(ひきめかぎばな)で描かれた中宮定子と側仕えの女房達を描く 顔にかかる黒髪は極細の線で
奈良絵本「伏見常盤」(江戸時代)源義朝の側室・常盤御前が三人の幼子を包み込み、暖を取る場面

 風俗図などでは、生き生きと暮らす町の女性たちの姿は、見ているだけで元気になる。遊郭での遊女や芸妓の姿を描いた絵画や屏風の美しい装いも見どころ。
 江戸時代、花柳界は女性にとって、流行の発信地としての要素が強かったという。それが絵画にも反映され、着物の柄や流行スタイルの移り変わりなどが見て取れる。

重要美術品「露殿物語 巻四」江戸時代の遊女評判記として最古とされる 物語は寛永年間(1624~44)の初期と推定 ※画像提供・逸翁美術館
重要美術品「露殿物語 巻四」禿(かむろ)と呼ばれる少女が遊女への文使いをする姿も ※画像提供・逸翁美術館
重要美術品「露殿物語 巻四」賑やかな京都・六条三筋の様子がうかがえる ※画像提供・逸翁美術館
重要美術品「露殿物語 巻四」遊郭は六条三筋からのちに島原へ移る ※画像提供・逸翁美術館

 特に、慶長年間(1596~1615)後半に、京都の六条三筋(ろくじょうみすじ 京都市下京区・六条新町通と室町通の間にあった遊郭)の遊女歌舞伎を描いた『遊女歌舞伎図屏風』(桃山時代)は、賑やかな四条河原の姿を表現している。

「遊女歌舞伎図屏風」(桃山時代)舞台は阿国歌舞伎と同じく、茶屋遊びの狂言 中央に立つのは男装のスター ※画像提供・逸翁美術館

 また、『舞姫図』(木谷千種筆)は、小林一三氏と関係が深かった実業家・吉岡重三郎氏(東京宝塚劇場社長など歴任)の姪の作品。小林氏が1948(昭和23)年に大阪・曾根崎新地の様子を記した花柳小説集「曽根崎艶話」の挿絵にもなっており、その原画でもある。見事な着物の模様の色使いや、墨の濃淡で表した髪の毛の描かれ方も繊細だ。

木谷千種筆「舞姫図」(1916・大正5年)
木下応受筆「唐美人採蓮図」(右幅)※画像提供・逸翁美術館

■逸翁美術館 絵画で『女子会!』 ー描かれた女性たちー

期間 2023年1月21日(土)~3月12日(日)
休館日 毎週月曜日
開館時間 午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料 700円(大学生・高校生 500円 / 小学生以下 無料)
問い合わせ 逸翁美術館(大阪府池田市栄本町12-27) TEL 072-751-3865


 【逸翁美術館 オフィシャルウェブサイト】
 【阪急文化財団 公式ツイッター】

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