女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサが、新たな取り組みに着手した。
13日、同クラブを運営するアイナックフットボールクラブ株式会社が、芦屋市スポーツ協会の芦屋スポーツアカデミーに所属する特定非営利活動法人阪神ユナイテッドと「フレンドシップ協定」を締結した。
今後は女子サッカーのプロクラブと街クラブのそれぞれの特長を生かしながら、指導者派遣などを通じて、さらなる女子サッカーの普及と育成、発展を目指していく。INAC神戸の安本卓史社長は、「女子サッカーをしたいけどできないお子さんはたくさんいますので、環境がないというお子さんにひとりでも多くサッカーをしてもらえるようにと、この協定を結びました」と、提携の意図を語った。
ラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)2月13日の放送でも同協定の話題が取り上げられたなかで、番組パーソナリティーを務める元Jリーガーの近藤岳登は、自身が携わる子どもたちのサッカー大会を通して、女子の育成年代でサッカーを続ける難しさを感じたという。
11日にゲスト参加したサッカー大会で子どもたちとコミュニケーションをとったという近藤は、「その中に、女子サッカーの子もたくさん来ていたが、WEリーグ・なでしこリーグのことは知っているけど、『どうやって行けばいいか』とか、『私なんか見てもらえてないし、行けるわけない』という話をしていた」と、女子サッカーの育成年代の現状を理解。「そういうのを聞いて、もっともっと情報を広げなきゃいけないし、もっともっと普及活動をしなきゃいけないなと(痛感した)。これは、もう即効性というのはほぼないし、Jリーグでも30年以上かかって、今ここまで(普及活動ができて)きているというのがあるから、地道にやっていくしかないと思う。子どもたちと話をしたなかで、そのことをすごく感じた」と、サッカーができる環境づくりや情報網の拡充の重要性を訴える。さらに、「『中学校でサッカーを辞めたけど、またやりたくなって高校でやり始めた』という子もいて、そういうパターンもあるから。(女子サッカーを)やっているクラブやチームがあると、きっと『やりたい』『ちょっとやってみようかな』と思う女の子も多いだろうから、そういう意味でも、どんどん裾野を広げてもらってやってほしいなと思う」とコメントしていた。
そして、INAC神戸が街クラブと連携して進める女子サッカー普及への取り組みについては、「そういうところ(地域の街クラブとの連係)から『女子サッカーをもっと盛り上げていきましょう』となると思う。また、(街クラブから)いい選手がINAC神戸に引っ張られたら、そこのチームの子たちは『●●さんがINAC神戸に引っ張られた!』『INAC神戸は頑張れば見てくれる』とわかるので、そんなところをどんどん増やすのはすごくいいなと思う。そのための情報網づくりがすごく大事だし、そういう意味でもこの業務提携はナイスな話だなと思った」と、期待を寄せていた。