こうした説明を受け、カールたちモデルは“高級ブランドのとき”と“安いブランドのとき”の表情として、交互に繰り返し「無愛想」と「ハッピーな笑顔」をさせられます。
インフルエンサーとして人気があるヤヤは、豪華客船クルーズの旅に招待され、カールがおともすることになりました。乗客たちは桁外れの大金持ちばかりです。
まず、ロシアで巨万の富を築いたオリガルヒ。また、地雷などの武器製造会社を経営するイギリス人の老夫婦。さらに、ヤヤに写真を撮ってもらっただけで「お礼にロレックスを買ってやる」という男性がいます。
セレブたちを乗務員の白人スタッフがもてなします。スタッフは高額なチップのためなら、乗客が言うどんなわがままでも応じようと笑顔を振りまきます。
ある夜、船長がおもてなしをするスペシャル・ディナーの最中に、海上が嵐となり、さらに海賊に攻撃されて船が沈没してしまいます。
ヤヤとカールと乗客の大富豪たち数人は、無人島に流れ着いて命が助かりました。そのあと島の海岸に、船の清掃係の中年女性・アビゲイルがクルーズ船に備えられていた緊急用のボートで漂着します。
ボートの中にはミネラルウォーターのボトルとスナック菓子がありました。アビゲイルは喉が渇き、お腹が減っているみんなへ水とスナック菓子を平等に配ります。
またアビゲイルは海に潜ってタコを取り、火をおこして調理します。アビゲイルが言いました。
「ここでは私がキャプテン(船長)よ」
ここには食べ物も水もSNSもありません。サバイバル能力の高いアビゲイルが富裕層を支配下に置き、主導権を握ります。この島では彼女の言うことを聞かなければ食べ物をもらえません……。