ある日、なにげなく大根畑の前を歩いていたところ、思わず二度見してしまう景色が広がっていました。
大根は、地中深く土の中へ中へと伸びていき、土の上には大根の葉だけがワサッと生えているイメージを持っていました。しかし、目の前の畑に生えている大根は、土の中よりもむしろ上へ上へと成長しているように見えるんです。
「もしかして、一旦抜いたあとにわざわざ土の中に刺して戻したのか?」と思うほど。しかも、ズラ〜っと何列も並び、数にして数百本もの大根が立ち並んでいます。
その様子は、まるで大根たちがこちらを見ながら整列し、朝礼でもしているかのよう。
大根たちを前に、畑の少し高い位置から見ていた私も朝礼台の上に乗ってあいさつをする『大根』校長先生にでもなったかのような気分……。あるいは、大群が土の中から「ニョキ!」「ニョキ!」と突然現れたかのような雰囲気は、まるで『大根』兵馬俑!
そんなユニークな光景が広がっているのですが、大根ってこんな風に土から飛び出して上へと伸びていくものなのでしょうか? 農家の方に尋ねてみたところ「はい、伸びますよ!」とあっさり回答。
大根の種類にもよるそうなのですが、このあたりの大根は12月の中旬ごろから上にもどんどん伸びていくそう。
そもそも「大根」という名前ではありますが、葉っぱの下全体が「根」というわけではないといいます。実は、葉っぱの下あたりの表面がツルっとした緑がかった部分は「茎」なんですって。そして、表面がところどころデコボコとした茎の下部分が「根」だそう。つまり「茎」と「根」の全体で1本の大根なんです。