瀬戸内海に春を告げる、イカナゴのシンコ(稚魚)漁が、3月4日に解禁されることになった。2017年以降、7年連続で深刻な不漁となっていて、2023シーズンも兵庫県内の全ての海域で「不漁」と予測されている。
漁の解禁日は、播磨灘と大阪湾で試験操業を行い、多くの人に親しまれている「くぎ煮」に適したサイズまで稚魚が育つ時期を判断したうえで決められるもので、22年より3日遅い。少しでも翌年に資源を残そうと、解禁日を遅くすることで操業日数を少なくする努力が続けられている。
イカナゴのシンコについては、前の年に漁獲し、冷凍保存されている加工品(釜揚げ、くぎ煮)が一年中出回り、消費者が「新もの」と混同しやすい状況が生じている。このため、大阪湾と播磨灘で操業する関係漁業者は一体となり、解禁日を設けることで消費者が正しい「新もの」を購入できるよう発信している。