「嫁にもらう」「親のゆるし」「家事は女が」…昭和のヒットソングから読み取る結婚観の変遷 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「嫁にもらう」「親のゆるし」「家事は女が」…昭和のヒットソングから読み取る結婚観の変遷

LINEで送る

この記事の写真を見る(2枚)

【中将】 親に束縛されたり不自由な時代よりはいいかもしれないけど、それはそれで趣がないなあって感じちゃいますね(笑)。

 次にご紹介する曲も有名な結婚ソングです。山口百恵さんで「秋桜」(1977)。

【橋本】 お母さんが百恵ちゃん大好きで、小さいときにこの曲を一緒に聴きながら「菜津美ちゃん、大きくなって結婚するときは結婚式でこの曲を流してね」と言われたのを思い出します。早く結婚してあげないとお母さんヨボヨボになっちゃう(笑)。

【中将】 あらためて歌詞をよく聴くと、この曲に出てくるお母さんもひとりごとをつぶやいていたり、何度も同じ話繰り返していたり、ちょっと心配になってきちゃうよね(笑)。

 それはともかく、女性が結婚を前に母親と荷造りしているという風景は今でも少し心に染みるものがありますよね。

【橋本】 今でも女性は結婚すると名字が変わったりするし、男性の結婚よりは家を出ることの重みがあると思います。

【中将】 こうやって考えると、結婚で女性の名字が変わるというのは封建主義の名残なんだなと思いますね。最後にお届けする曲はまさに男性優位の封建主義ソングとして知られるヒット曲です。さだまさしさんで「関白宣言」(1979)。

【橋本】 「お前を嫁にもらう前に 言っておきたい事がある かなり厳しい話もするが」…冒頭からすでにムカつきますね! しかも「俺より先に寝てはいけない」だの「飯はうまく作れ」だの……なんなんですかこれは!?

【中将】 確かに「秋桜」と同じ人が作ったとは思えないですよね(笑)。でも、これはさださん流のネタソングとして作られた曲なんです。当時通っていたスナックのママさんに「最近の男はダメになった。だから若い娘もダメになった」と説教されたのをヒントに、あえて前時代的なスタンスで結婚にのぞむ男性の曲を作ろうとされたそうです。よく聴けば、それがまったくの本音ではないことがうかがえるのですが。

【橋本】 なるほど……でもこの曲は世間に受け入れられたんでしょうか?

【中将】 歌詞のインパクトで大ヒットになりましたが、真に受けた複数の女性団体から「女性差別」、「男尊女卑」だと大きな批判を浴びてしまいました(笑)。当時としてもこの価値観はすでに古かったのですね。

ラジオ関西「中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス」収録風景

(※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』2023年2月21日放送回より)


ラジオ関西「中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス」公開収録スペシャル

※ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』放送1周年記念イベントが3月15日(水)に神戸・三宮のチキンジョージで開催されます!

●ラジオ関西「中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス」公開収録スペシャル
1部 「中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス」ラジオ公開収録
2部 ラピス和尚監督、橋本菜津美主演映画「4390」制作発表トークショー
3部 中将タカノリと橋本菜津美がゲストを迎えお送りする昭和歌謡ライブショー

開催日時 2023年3月15日(水)18:30開場/19:00開演
入場料 3000円+ドリンク代
会場 チキンジョージ(兵庫県神戸市中央区下山手通2-17-2-B1F)
http://www.chicken-george.co.jp/
イベント詳細HP http://info.lazy-art.net/?eid=51


LINEで送る

関連記事