兵庫県の斎藤元彦知事が9日、ラジオ関西の生番組に出演し、2025年の大阪・関西万博開催まで2年になるのを前に、兵庫をアピールする「ひょうごフィールドパビリオン」事業が本格始動することについて話した。
フィールドパビリオンは、兵庫県全体をパビリオンに見立て、地場産業やものづくりなどの現場の活動を地域の人が発信する。万博に訪れると見込まれている国内外の2800万人をターゲットに、実際にその地を訪ね、見て、学んで、体験してもらうことで兵庫の魅力を知ってもらう。
兵庫県が万博の理念にも通じるSDGsの視点を取り入れた体験型の地域プログラムを募集し、113件を1次認定した。
認定プログラムの一部を紹介すると、「『和牛のふるさと』ルーツを訪ねて」は、和牛のルーツとされる但馬牛をはぐくんできた香美町小代(おじろ)が舞台となる。日本全国の黒毛和牛の99.9パーセントが小代で生まれた田尻号という但馬牛の子孫とされ、住民自身が但馬牛と歩んできた暮らしぶりを案内し、訪問者に体験してもらう。
「防災ツーリズム推進事業」は、万博が開かれる25年が、阪神・淡路大震災から30年の節目にあたることから、阪神・淡路大震災で壊滅的な打撃を受けた被災地が、創造的復興を目指して取り組んできた過程や教訓を学んでもらうことが狙いという。人と防災未来センター(神戸市)、E-ディフェンス(三木市)などの研究拠点や防災関連施設と観光資源を組み合わせた体験ツアーを実施する。
斎藤知事は、万博後も含めて県民自身にもこうしたプログラムを体験してもらい、「世界に通じる取り組みが兵庫にあることを知ってもらいたい。それがシビックプライド(誇り)につながり、兵庫に住み続けたいというきっかけになる」と期待を込めた。