技術の進歩に伴い、酒づくりの現場でも機械化が進んできました。例えば、酒米の洗浄。これまでは機械で洗米していましたが、稲岡社長は手作業にこだわります。「大変だけど、手をかけるからこそ酒への思いが強くなる。“いつもいいお酒をありがとう”と言われることが多くなった」とほほえみます。
また、稲岡さんは「地域全体で日本酒をつくっている」とも口にします。酒米をつくる人、酒をつくる人、それを伝える人、飲む人。ひとつでも欠けてしまえば、日本酒づくりはできません。後世に伝えるべき技術を大切にしながら、時代に合わせて酒づくりも進歩しています。
農家と蔵元、両者の思いが込められた日本酒。加西市産の酒米による味の違いも堪能したいですね。
(取材・文=岡本莉奈)