恐竜の化石をもとに想像をふくらませて描く「パレオアート」を集めた展覧会が、神戸の兵庫県立美術館で開かれています。
一般に博物館では恐竜の骨や模型が展示されますが、美術館が恐竜をテーマに取り上げるのは珍しく、躍動感のある作品およそ150点を見ることができます。
恐竜の化石は今からおよそ200年前にイギリスで初めて見つかり、その姿を絵画として復元することで多くの人が恐竜の存在を知るようになりました。
最初に見つかった恐竜として知られるイグアノドン。ジョン・マーティンによる19世紀の作品『イグアノドンの国』では、背中をかまれているイグアノドンの鼻に三角形の角が描かれています。
その後、ベルギーでイグアノドンの骨が大量に発見されて、角とみられていたのは前足の親指の骨だと分かり、表現が変わります。1950年にズデニェク・ブリアンが描いた絵画では親指が三角に突き出ています。
ホーキンズは、草食恐竜が肉食恐竜に襲われる場面を中央に描き、周りにさまざまな生き物が取り囲む、恐竜を擬人化して演劇のように表現しました。
また、野生動物画家だったチャールズ・R・ナイトは、生物学的知見に基づき、恐竜をいきいきとした姿で描き現代に蘇らせました。飛び跳ねる恐竜を躍動感あふれるタッチで描いたり、ティラノサウルスとトリケラトプスが対決する様子を描いたりして、映画「ロスト・ワールド」や「キング・コング」に影響を与えました。