ディック・ミネ、キャロル、サザンオールスターズ…日本のポップスに変革を与えた楽曲たち | ラジトピ ラジオ関西トピックス

ディック・ミネ、キャロル、サザンオールスターズ…日本のポップスに変革を与えた楽曲たち

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 日本のポップスは戦前より、海外からの大きな影響を受け、発展してきました。さまざまな音楽が輸入される中で、日本のミュージシャンたちに課せられた課題は、日本語でいかに洋楽のノリを再現するか。その中で生まれた“日本のポップスに変革を与えた楽曲”たちについて、シンガーソングライター・音楽評論家の中将タカノリと、シンガーソングライター・TikTokerの橋本菜津美が紹介します。

日本のポップスに変革を与えた楽曲とは?(写真はイメージです)

【中将タカノリ(以下「中将」)】 今回は日本のポップス史上で、大きな変革を生み出すきっかけになった楽曲たちを紹介していきたいと思います。

【橋本菜津美(以下「橋本」)】 この番組(ラジオ関西『中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス』)でいろんな曲を聴かせてもらいましたが、時代ごとの変化って大きいですものね。その変化にはきっかけになった曲があるということですね。

【中将】 はい。日本でレコードの録音が始まってから120年以上。義務教育で唱歌が歌われるようになった時期とも重なるのですが、それまで民謡や小唄みたいな伝統音楽にしか触れる機会のなかった日本人の耳に、どんどん西洋音楽が入ってくるんですね。でも、そんなに一朝一夕になじめるわけじゃない。そこでミュージシャンたちの悪戦苦闘が始まるわけです。

【橋本】 日本人に聞きやすいようアレンジしていくんですね。

【中将】 そうですね。英語の歌詞のものを日本語に訳したり、リズムをゆっくりにしたり。でもプレーヤーは本場のような本格的な音楽がしたいから、優しくしたり、ちょっと攻めたりを繰り返して日本人の音楽の許容範囲を少しずつ広げていったわけです。たとえば1934年にディック・ミネさんがリリースした「ダイナ」。

【橋本】 演奏がノリノリで、歌が始まるまで洋楽のジャズかと思ってました。

【中将】 ルイ・アームストロングやいろんな人に歌われているジャズ・スタンダードのカバーなんです。歌詞はミネさんが日本語で書いたのですが、この日本語の発音を崩してリズムに乗せた歌い方は当時では衝撃的だったでしょうね。

【橋本】 英語の曲を日本語にすると、どうしても譜割りに違和感が出ちゃいますが、それを歌い方でカバーしてるんですね!

【中将】 それまでもジャズは流行ってたんだけど、みんな日本語の発音に合わせてハキハキ歌っちゃうもんだから、あんまり洋楽的なノリが出てなかったんですよね。ミネさんのも、本場のジャズシンガーっぽく聴こえるかと言われれば違うけど、かなり現代的のポップスに通じるノリを感じます。

【橋本】 戦前にここまでできちゃうのはすごいセンスですね!

【中将】 次に紹介するのは1958年にリリースされた山下敬二郎さんの「ダイアナ」。当時のロカビリーブームの代表的な曲です。


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