60年代に流行【特攻服・変形学生服】の歴史変遷 背中の刺繍は「反骨精神」→「感謝の気持ち」に変化 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

60年代に流行【特攻服・変形学生服】の歴史変遷 背中の刺繍は「反骨精神」→「感謝の気持ち」に変化

LINEで送る

この記事の写真を見る(4枚)

 1960年代以降、日本全国に特攻服や変形学生服ブームが到来。いわゆる“ヤンキー”と呼ばれる学生が着ることがほとんどでしたが、現在は着る人にも変化が生まれているのだとか。奈良県でオーダー刺繍や特攻服、学ランなどの製造・販売を行う「きてやこうて屋」の岡本さんに、現在に至るまでの変遷を聞きました。

「きてやこうて屋」の特攻服

――いつから特攻服や変形学生服などを提供していますか?

【岡本さん】 弊社は1997年の創業当時から現在まで“作業服店”として営んでおり、オーダー刺繍や特攻服などを提供し始めたのは2004年です。

一部のアーティストファンの間では着る文化がありましたが、1997年ごろまでは「怖い」という印象が強く社会から切り離された存在だったこともあり、なかなか取り扱いにくいものでした。しかし2004年ごろから有名アーティストが着用するようになり、さらにはパロディ化されるなど“着る文化”の普及をきっかけに弊社でも扱うようになりました。

現在、アーティストやアイドルの衣装としての依頼が全体の6割ほどを占め、昭和のような学生さんからの需要は1割ほどというところです。この結果は弊社の行う通販事業が寄与しているのだと思いますが、地元のみをターゲットにしているお店であれば学生需要にも変化があるのではないでしょうか。

――特攻服や変形学生服は1960年代ごろに流行したといわれていますが、そのきっかけは?

【岡本さん】 もともとは暴走族が始まりで、その後1980年代に「竹の子族」が登場し、後にシャツタイプの特攻服が誕生したと思います。今でいうところの、漫画『東京リベンジャーズ』のマイキー以外のキャラクターが着用しているスタイルを思い描いていただければと思います(笑)。

当時は、背中上部にアーチ状に組織の名前、下部に地名、そして中央に旭日旗などを掲げている人が多かったようです。ただ、当時は機械ではなくすべて手縫いで仕上げていたため、完成形が異なることから安定しないデザインも多くありました。

現在弊社ではデーター刺繍を中心に行いつつ、一部、手振り刺繍も行なっています。手振り刺繍はシワの原因になったり、文字が不安定になることもあるため、きれいな刺繍を装飾したいのであればデーター刺繍が無難ですね。

――現在はどのような形・デザインが人気でしょうか?

LINEで送る

関連記事