60年代に流行【特攻服・変形学生服】の歴史変遷 背中の刺繍は「反骨精神」→「感謝の気持ち」に変化 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

60年代に流行【特攻服・変形学生服】の歴史変遷 背中の刺繍は「反骨精神」→「感謝の気持ち」に変化

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【岡本さん】 おもにアイドルやアーティストのライブで着られることがほとんどで、王道のロング特攻服に、縦にメンバーの名前を入れるのが人気です。

NGT48およびAKB48の元メンバー・北原里英の青ロング特攻服卒業刺繍

――特攻服といえば、卒業シーズンに学生が着る「卒ラン」「卒業刺繍」のイメージがありますが、土地柄で変化はありますか?

【岡本さん】 大きな違いとしては、保守的な傾向のある奈良県では渋いデザインが主流ですね。金・銀・赤などのシンプルな色味が特徴です。対照的ともいえる大阪府は「派手であればあるほどいい!」という感じで、カラフルな刺繍を施される人が多いですね。最も派手な地域は大阪南部、その次に岡山県、福岡県と続き、派手さに関しては圧倒的に西日本が多い印象です。

――昭和と現在、着用する学生に違いはありますか?

【岡本さん】 大阪府出身の私が中学3年生のときに短ランが誕生しました。学校で短ランがブームになり、先生に取り上げられていた子もいましたね。現在は、いわゆる「ヤンキー」といわれる子はほとんどいないと思います。昔は目つきの鋭いヤンキーがたくさんいたのですが、今の子たちは個性を大切にして育っているので「目立つのが好きな子」が多いですね。

刺繍も、以前は反発のフレーズを入れるのが当たり前でしたが、現在は感謝のフレーズが主流になっており、卒ランを作りに来られるお子様の99.9パーセントが親御さんと一緒に来られます。なかには、「パパ・ママありがとう」などの言葉を入れる人もいます。

フレーズの変化は、昭和と現在における「教育」の変化によるものだと思います。昔は「はみ出しものの矯正」としての学校教育が認められていましたが、現在は個人にあわせて「パーソナリティを尊重する時代」になりました。その結果ヤンキーはほとんど絶滅し、新たな“卒ラン文化”が誕生したのではないかと思います。

卒ラン刺繍(奈良県発の白長ラン+ドカン)
卒業セーラー服刺繍(奈良県発のイエローセーラー服上下)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 教育が変化したことで、特攻服や変形学生服の在り方にも大きな変化が。個々の“自己表現”や“思い”を大切にする時代だからこそ、今後もこれまでにない新たな特攻服・変形学生服の文化が開花しそうです。

(取材・文=弘松メイ)

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