前回、ハンカチをくわえて悔しさを表現するという仕草について話をしたところ「ハンカチをくわえるといえば芸人の横山たかしさんやで」というメッセージが寄せられたほか、「すまんの~」「笑えよ~」「生き~よ~」という横山たかしさんの持ちギャグの数々が書き込まれたんです。
確かに、いまだかつてこれほどまでにハンカチくわえ芸でインパクトを与えた芸人さんはほかにいません。ぜひとも話を聞きたいと思ったのですが、残念ながら2019年にお亡くなりになりました。それでもなんとかハンカチくわえ芸にまつわる話を聞きたいと思い、横山たかし師匠のお弟子さんである横山ともやさんに直撃取材してきました。
商売道具である“ハンカチ”。「さぞかし特別なハンカチなのでは?」と尋ねてみたところ、なんとも意外な回答が返ってきました。
「ああ、あのハンカチですか。師匠が着ていた金ピカのスーツは自称38億円でしたけど、あのハンカチはどこにでも売っているような安いやつでしたよ(笑)」(ともやさん)
ハンカチにまつわる裏話も聞かせてくれました。
「あのハンカチ、実は3枚常備されていまして……。舞台でネタをすると必ずハンカチをくわえるので汚れてしまうじゃないですか。ですから1ステージごとに洗っていて、3枚を順繰りにすることで舞台では常にキレイな状態で使っていたそうです」(ともやさん)
さらに、ハンカチくわえ芸には知られざる事実もあるそうで……。
「悔しがってずっとハンカチを噛んでいるイメージがあると思うんですけど、本当にくわえていたら言葉が聞き取りづらくなって漫才ができないんですよね。ですから、実際は漫才のなかで数回ほど口元に持っていっている程度なんです」(ともやさん)
実際に噛んで引っ張っているように見せながら舞台映えもするよう、裏側に指を入れてハンカチの端を上向きに立たせているのだとか。
営業などでさまざまな場所を訪れるというともやさん。横山たかし師匠の弟子であるがゆえのエピソードもあるそうで……。