元Jリーガーで、ヴィッセル神戸やFC大阪などでのプレー経験を持つタレントの近藤岳登が、1日、ラジオ番組『アスカツ!』(ラジオ関西)に出演。現役引退後の挑戦について語った。
「姓は情熱家、名は岳登」。そう自己紹介した近藤。テレビ番組で話題となったFORKのパンチライン(発言中の一番の聞きどころ)「姓はICE BAHN、名はFORKだ」のオマージュだ。
「インパクトがあってかっこいいから真似してる」と笑いながら話す近藤のモットーは、『人間だれしも情熱家』。インパクトのある自己紹介で、自身が“情熱家”であることをアピールする理由を「1人でも多くの人に『自分も情熱家なんだ』と思ってもらいたい。だれにでも情熱の火種はあるから!」と力強く語った。
現役時代は、頑張りすぎてけがをすることも多かったと話す近藤。そのモチベーションは、“試合に出たいという気持ち”と“監督へのアピール”だったというが「実際そんなアピールは大事じゃないと今は思う」と断言。その理由を「監督は、アピールではなく“自分ができることをやる”ところを見ている。自分が指導者の立場だったら『お前に期待してることはこれだから、これをやってくれ』と思うもん」と述べた。
当時はそれが分からず、プロになった喜びと、試合に出なきゃ意味がないというプレッシャーが常に入り混じった状態だったと語る近藤は「試合に出てる選手を食う(取って代わって試合に出る)には猛アピールしなくちゃいけないし……。一時期は『レギュラーで出てる選手がケガをしたらいいのに』とか思ってたよ」と当時のリアルな心境を明かした。
しかし、「これじゃだめだ」という思いも抱いていたそうで、ある時期を境に考え方が変わったという。
「当時、ヴィッセルの右サイドバックの石櫃(洋祐)が日本代表候補に選ばれた時期でもあって……。『実力でこの選手に勝ったら、実質、俺、日本代表じゃん』と思った。そうやって『自分の価値を上げよう』と思うようになったあたりから『ケガをしろ』とか『ミスしろ』というのはなくなった」(近藤)
負のエネルギーがなくなってからはケガも減り、試合にも出られるようになったと話す近藤が、いま現役プレーヤーに伝えたいこととは。
「無理をしないということ。練習で100パーセントやっていれば、監督は見てる。チャンスが来たら使ってくれる。練習でしたことを出せば、監督も周りも確実に認めてくれる。それ以上のことをしなければ大丈夫」(近藤)
さらに「違和感があったらやめる勇気。違和感があるなかでプレイをしても『あいつパフォーマンス悪いな』って言われるのがオチだから。そういうときはやめる、休むことも大事」と付け加えた。
これはアスリートに限ったことではない。「たとえばビジネスの世界でも、体調が悪いときに頑張ったっていい結果は出ないと思うし……」と話す近藤は「この話が1人でも多くの人に届けばいいな」とコメントを残した。
引退後は吉本興業に所属しタレントに。2019年には『R-1ぐらんぷり』に出場し、準決勝進出を決めた。そのときに初めて「“元Jリーガー”という肩書きが生きた」と感じたのだとか。
「サッカーのイベントとかに出ても、そこに来る子たちって、もっと上の選手を期待しているから。『俺が行ってもそんなに……』と自分のなかで思ってた」「元Jリーガーって、あんまり言いたくなかった」とR-1出場前に抱いていた率直な思いを吐露した近藤。