2025年大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)の開幕まで2年となった13日、会場となる大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)で起工式が行われた。
岸田文雄首相が出席、岡田直樹万博担当相のほか博覧会協会会長も兼ねる十倉雅和経団連会長や、吉村洋文大阪府知事らも参列、計255人が参加した。
鍬入れには、大阪・関西万博アンバサダーとして、宝塚歌劇団・星組の極美慎さんらも参加した。
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、広さ約155ヘクタールの広大な敷地に、政府の当初目標を上回る、合わせて153の国・地域、民間企業などが、SDGs(持続可能な社会)の実現に向けた最先端の取り組みや技術を結集する。
一部のパビリオンについて展示内容が明らかになり、「空飛ぶクルマ」の運航事業者も選定され、万博が前面に打ち出す「未来社会」の舞台が、これから本格的に形づくられる。
万博の中核事業となる、テーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」では、放送作家の小山薫堂さんや映画監督の河瀬直美さん、ジャズピアニストで数学家の中島さち子さんら8人のプロデューサーが「いのちの輝き」をテーマにそれぞれ展示館を手がける。
日本で開催される大規模な万博は1970年の大阪、2005年の愛知に続き、3回目となる。パビリオンの敷地が協会から各運営主体に引き渡され、順次建設が始まる。
パビリオンなど会場内施設の建設をめぐっては、資材価格の高騰やデザインの難易度の高さが影響し、工事の入札が不成立となるケースも相次いでいる。こうした事態に博覧会協会は、基本設計の簡素化と予定価格の引き上げで対応。万博の建設費総額は約1850億円を上限とし、国、経済界、大阪府・市がそれぞれ3分の1ずつ負担する計画は変わらず、この金額の上振れはないとしている。
起工式で十倉会長は「ここ夢洲が、未来社会の実験場となることを確信している。国家的イベントとして機運の醸成が必要だ。会期前から、さまざまな人が万博のテーマに関する取り組みを国内外へ発信し、万博を共に創り上げていく場として開催するオンライントークイベント『Join2025』の名のもと、すべての人が参加でき、世界に誇れる万博に向け、全力を傾注する」とあいさつした。