連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める『セケンテー/ぼくらは囚われない』(ラジオ関西 毎週土曜午後8時00分~)。3月16日の放送では、5人組ロックバンド「ザ・マスミサイル」のボーカル高木芳基さんがゲストに登場。音楽に対する思いを語った。
2000年に結成し、2004年にアニメ「NARUTO」(テレビ東京系)のエンディングテーマ『今まで何度も』でメジャーデビューを果たした「ザ・マスミサイル」。その後はメジャーとインディーズを行ったり来たり。「デビューして3年で戦力外通告。俗に言う“メジャー落ち”です」「完全自主レーベルを設立し、活動していたなかで2回目のデビュー。でもまた戦力外通告を受けました」と、現在に至るまでを振り返った高木さん。
現在の心境については、このように語った。
「わかりやすく音楽でご飯を食べていくか、わかりやすく挫折するかのどっちかだと思っていた。今は生きながら死にながら生きてる(笑)。それでも一線でやる、みたいな感じ。こんなに楽しくて地獄の毎日だと思わなかったですね」(高木さん)
「スポーツの場合、戦力外通告を受けたら大体は就職を考えますよね」と切り出したセオ。「アーティストの場合はどうなんですか?」という質問に、高木さんは「アマチュアとして同じことを続ける。就職を考える人もいるけど……。っていうか、仕事は99パーセントの人がしているんじゃないかな」と回答。そのうえで、自身は音楽以外の仕事をしていないことを明かし「それ(音楽以外の仕事をしていない人)は、レコード会社と契約している人の数よりも少ない。1番マイノリティなやつ」と付け加えた。
さらに「ほかの仕事をする気はありますか?」と投げかけられると、「そろそろやばいなと思いながらここまで来たので……。どうなんですかね、これから(笑)。1年後はわかんないっす」と笑い混じりに答えた。
紆余曲折を経たうえで、現在も音楽活動を続けられている理由についても尋ねてみた。
「辞めるタイミングは自分で決めるしかない。だからこそ、1年に何回かは『この言葉があるからまだ続けられる』という言葉に出会ってしまう。『どうか歌い続けてくれ』『救われました』と。この感動と恍惚感、やりがいがこの世界にはある。それがギリギリ立っている理由かな」(高木さん)
高木さんの言葉に感銘を受けた様子のセオは、「現代人はこういう考え方を持つべき」と強く主張。さらに、「今の世の中はネタにとらわれすぎ」「数字にとらわれたりするだけじゃなくて、やっぱりアーティストのマインドが必要」と続けた。
セオの主張に対し、「YouTubeのミュージックビデオとかで声高らかに『〇億回再生』という言葉を使い出してからちょっと様子がおかしくなったよね」と同意を示した高木さん。そのうえで、「再生回数にこだわりだしたのは危ないなと思うけど、うまくYouTubeを使いたい自分もいて。その葛藤がここ数年続いている」とリアルな心境を明かした。
作詞の際には、5歳でもわかるシンプルな言葉を使うことを心がけているという高木さん。もちろん、目指しているのは“誰にでもわかる、ちゃんとした大人のポエム”だ。「『ポエムが歳をとる』ように、同じ内容でもちゃんと45歳の書く表現でありたい」と語った。