「水色界隈」「天使界隈」という言葉をご存知ですか? 中性的なファッションを好む10代〜20代の男女にいま人気のファッションジャンルのことを指します。水色や淡い色のジャージ素材のパーカーをアイコンアイテムとし“儚い雰囲気”を表現しているのが特徴です。
「水色界隈」「天使界隈」で人気のブランド「ililil(イルイルイル)」を手がける株式会社ピー・ビー・アイの石川さんに人気の理由を聞きました。
――水色界隈・天使界隈とは、具体的にどういうものなのでしょうか?
水色界隈とは、元々は「ゆるめるモ!」時代のあのちゃんスタイルに憧れて誕生したスタイルです。青や水色を基調とし、ボリュームネックや白パーカーを着ていることが多いです。また、ヘッドドレスを付けることもあります。当初はサブカルチャー寄りのジャンルでしたが、今は「水色を使用していればOK」と幅が広くなっています。いっぽう天使界隈とは“透明感”を強調したジャンル。同じ水色でも儚げで可愛らしい印象です。このスタイルを好む人は、全身真っ白なワンピースや淡いグレーなど、透明感のある色味を選びますすね。サブカル寄りでは無いので、取り入れやすいアイテムが多いイメージです。
実は「天使界隈」という言葉を作ったのは我々なんです。インスタグラムなどのSNSで「#水色界隈」が流行していることを知り、同時はこの界隈での共通言語がなかったため「新たに名前を付けて流行らせよう」と仕掛けたのです。
――なぜ人気なのでしょうか?
「推し活文化」の影響が大きいと思います。自分の“推し”の色が青・水色・白であれば、お洋服にも取り入れやすいため「お洒落しながら推し活ができる」というメリットが理由ではないかと思います。
また、「Y3K」というファッション文化が流行していることも理由のひとつに挙げられます。3000年代を意識し、“サイバー系”や“近未来感”のあるファッションを身につけるのがY3K。流行したきっかけは、VRやメタバースなど「仮想空間とリアル」の関係が大きいと思います。Z世代は、現実とネット社会の境界線があいまいな印象です。そのためY3Kスタイルもあまり抵抗がないように思います。特に水色界隈はY3Kに似たジャンルなので、大きな影響を与えているのではないでしょうか。