女子サッカーのINAC神戸レオネッサは、4月23日(日)、「2022-23 Yogibo WEリーグ」第14節で大宮アルディージャVENTUSとのアウェイ戦に臨む(NACK5スタジアム大宮、午後2時キックオフ予定)。約1か月ぶりの公式戦を前に、20日(木)のメディア公開練習後、INAC神戸の監督や選手が報道陣に意気込みを語った。
リーグ戦では11試合を終えて勝点27のINAC神戸は、首位・三菱重工浦和レッズレディース(勝点30)と勝点3差の2位。8勝3分けと負けなしだが、最近2試合で引き分けが続くなど、勝ち切れないことで停滞し、第11節から首位の座を明け渡した。
ここから9試合あるとはいえ、WEリーグは11チームの2回戦制という短期決戦。「1つも落とせない」(DF守屋都弥選手)、「なにがなんでも勝つことが一番大事」(DF筒井梨香選手)と選手たちも述べるように、第18節にやってくる浦和Lとの直接対決まで、とにかく勝ち続けることが、WEリーグ2連覇を目指すINAC神戸のノルマとなる。
それでも、20日の練習では、チームは約2時間、活気あるトレーニングを展開。練習終了後にはDF足立寧々選手の誕生日を祝う様子も見られるなど、雰囲気のよさも際立った。
「攻撃をもっとブラッシュアップしていけば、相手がどんなチームであっても自分たちが主体的にサッカーができる」というのは、INAC神戸の朴康造監督。中断期間の約1か月では、課題となっている攻撃の強化を重点的に取り組んだという。日本女子代表(なでしこジャパン)の4選手が不在のなか、8日にセレッソ大阪ヤンマーレディースと行った練習試合では8-1と大勝。その成果を、リーグ戦でもいかしたい。「一戦一戦頑張っていきたい」という朴監督。チームとして目の前の1試合の勝利に集中する思いは不変だ。
そのなかで、今回のINAC神戸と大宮Vの一戦でポイントとなりそうなのは、サイドでの新旧なでしこ対決。INAC神戸の右サイドを担う守屋選手と、元INAC神戸で、現在は大宮Vの左サイドからチームを牽引する鮫島彩選手との顔合わせが再び実現する。
「(小山)史乃観の左サイドもそうだが、サイドをとれるとINACのチャンスメイクは増えてくる。私自身としてはサメさん(鮫島彩)とのマッチアップを制することがカギ」というのは、先の欧州遠征で念願のなでしこジャパンデビューを飾った守屋選手。
かつては同じチームでプレーしたこともあり、鮫島選手の能力の高さを痛感。「サメさんはあまり感情をバーッと(表に)出さないもののすごく的確な指示をくださり、すごく賢く考えて、危機察知能力もすごい」。敵として向かい合ったときにも、「隙がないと改めて感じた」と、守屋選手。プライベートも含めて「ストイックで、素晴らしい人」と、なでしこのレジェンドをリスペクトするが、勝負事は別。「サメさんの裏をとれるようなプレーは毎試合したいなと考えているが、これまでがっつり裏をとれたことはなかったので、そこは狙っていきたい」。
大宮VにはINAC神戸でともにプレーした仲田歩夢選手やスタンボー華選手、JFAアカデミー時代の同僚である乗松瑠華選手や大熊良奈選手ら、旧知の間柄の選手も揃っているため、「知っている人が多いチームと戦うのはすごく楽しみ」という守屋選手だが、「絶対に勝ちたい」と気合いを込めていた。
また、守屋選手は、なでしこジャパン欧州遠征を通じて「仕掛けやチャンスメイクが課題」というも、「裏への抜け出しは海外でも通用するのかなと感じた」と手応えもつかんだよう。今シーズンのWEリーグで顕著な活躍を見せる右サイドのスペシャリストは、いま、クロスでのアシストだけでなく、得点もどん欲に狙っている。「代表(活動)が終わってからリーグ戦で『変わったぞ』というところを見せないと、成長していない(と見られる)し、(W杯メンバーに)選ばれるか選ばれないかも変わってくる。代表も頭に入れつつ、リーグ優勝のために得点に絡んでいきたい」と明かす背番号2の右サイドは、今節でも大きな見どころになることは間違いない。
そして、なでしこジャパンのレジェンドも、今回の一戦に注目。元代表DF川上直子氏は、自らがパーソナリティーを務めるラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)のなかで、「代表選手がいなかった間に、(INAC神戸は)新たな選手がどれくらい監督にアピールできているか。また、(リーグ戦)再開の試合で大宮Vがどう試合に入るかも気になるところ」と、試合の見どころを語っていた。