4月23日の兵庫県芦屋市の市長選挙で、市長として史上最年少当選を果たした高島崚輔(りょうすけ)氏が、27日、ラジオ関西の番組に出演し、選挙戦を振り返るとともにこれからについて熱く語った。
高島氏は、灘中学・高校(神戸市東灘区)から、東京大学、米ハーバード大学に進学という経歴を持つ。ただ、行政や議員の経験はなく、立候補前まではNPOの理事長を7年にわたり務めた。
「日本の高校から海外への大学に進学する人の支援をしていました。教育委員会と連携して、学校の新しいカリキュラムや中・高・大学生と街づくりに関わっていました」(高島氏)
そんな高島氏が行政に関心を持ったきっかけは、生まれ故郷である大阪府箕面市の前市長(倉田哲郎氏 2008-20年、就任時34歳2か月)だったといい、「市長が60代から30代に若返った時、街が一気に変わりました。高校1年生の頃、その市長と話をする機会があり、市長という仕事は生活に一番身近で、(市民の暮らしを)劇的に変えられる可能性があると思いました」と話した。
芦屋市内で演説をしていると、市長としては若いのではないかという声もあったという。高島氏は、「心配されるのもよくわかります。でも、年齢は変えられないので、未来や政策を語って、そこに共感してくださる方々が少しでも増えればいいな、と思いながらやっていました」と、選挙運動中の心境を明かした。
立候補前から芦屋市内の集会所などで、毎週土曜、日曜に1時間の対話集会をおこなっていた高島氏。前半は自身のビジョンを語り、後半は質疑応答としていた。
地域や参加者の年齢によって悩みや意見はさまざまだったとのこと。「『坂道が多い所に住んでいると、(運転)免許を返納したらどこにも行けない。公共交通機関が整備されていないと困る』という意見や、若い人からは『希望した部活動が公立中学からなくなっていて、できなかった』と言われました」と振り返る。
「(選挙戦では)若いからこそ、走り回って話を伺うことができた」と言う高島氏は、1万9,779票を得て、初当選を果たした。
街頭でさまざまな声に耳を傾ける中では、「この声が役所に届いているかわからない」と感じることも多かったそう。「自分の話をきちんと市政に生かしてくれるような人を求めている、というところがあったのでは……」と、今回の選挙結果を分析した。