バレーボール元女子日本代表の竹下佳江氏が、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組の収録で、国内バレーボールの主要大会の1つ、「黒鷲旗(くろわしき)全日本男女選抜大会」の思い出や、今年度の大会の見どころを語りました。
Vリーグや、天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会とともに、国内バレーボールの主要大会として知られる、「黒鷲旗」。今回で71回目を迎える歴史と伝統のあるカップ戦には、同大会選考委員会により選出された男女各16チームが出場。Vリーグ1部(V1)のチームだけでなく、大学・高校の強豪校も集います。例年、ゴールデンウイーク期間中に大阪で開催され、今年は5月1日から6日まで、大阪市港区の丸善インテックスアリーナ大阪で熱戦が繰り広げられます。
高校卒業後、NECレッドロケッツに入団した竹下氏は、黒鷲旗がチームでの初の大会だったそう。当時は「大阪城の周囲を何周も走り込み、その後、短距離も走る……『まさに走り込みの遠征のよう』だったなぁ……」となつかしそうにコメント。
また、NEC時代の第50回大会(2001年)では優勝し、最高殊勲選手にあたる「黒鷲賞」を受賞。JTマーヴェラスへ移籍後も第60回大会(2011年)で優勝を果たし、個人としても敢闘賞を3度、ベスト6に5度、それぞれ選ばれました。「黒鷲旗」でも輝かしい経験を持つ、日本を代表するレジェンドセッターは、この経歴を改めて見て「小さいのに頑張ってたな~」とにこやかに振り返っていました。
その竹下氏が今年度の大会で注目するのは、Vリーグ1部(V1)を制したウルフドッグス名古屋(男子)と、東レアローズ(女子)。さらに、男子では東海大学と東山高校、女子では東海大学と古川学園高校、金蘭会高校という、学生の強豪チームにもスポットライトを当て、Vリーグ勢と学生との戦いを見どころにあげます。
「私もそうだったし、プロの選手はそうだと思うが、トップチーム(Vリーグ勢)は学生と戦うのが嫌なんですよね……(苦笑)」という竹下氏。この真意について、「プロとしてやはり変な戦いはできないし、周囲からの‟プロだから学生には負けないでしょ?“というプレッシャーもけっこう(あって)、V1とはまた違うプレッシャーですね」と述べていました。同大会では、カップ戦特有のジャイアントキリング(下克上)が期待されるがゆえの緊張感もあるようです。
その一方で、竹下氏は「今の学生チームは、個人の力としても、チームの戦術としても、ちゃんとデータを解析してきて戦ってくる。だから強い。かなりレベルが上がってきている」と、学生チームがあなどれない理由も語っていました。
昨年度の大会では、女子で筑波大学と東海大学がVリーグ勢をおさえてベスト8に勝ち残るなど、学生チームの台頭にも期待が高まる「黒鷲旗」。今回はどんな番狂わせが起こるかも見逃せません。
竹下氏がエグゼクティブアドバイザーを務めるヴィクトリーナ姫路は今シーズン、V1で最下位となり、V1・V2入れ替え戦でも苦杯をなめて来シーズンからのV2降格が決まっていますが、今シーズン最後の大会で一矢報いる戦いができるかも、見どころの1つ。同大会4度目の出場となるヴィクトリーナはC組に属し、1日に日立Astemoリヴァーレ、2日にNECレッドロケッツ、3日に日本女子体育大学と対戦。初の決勝トーナメント進出を目指します。
※ラジオ関西『竹下佳江のいいな117ヴィクトリーナ』2023年5月1日放送回より