――爪の変形やトラブルの原因は?
【中塚さん】 もちろん加齢もありますが、歩き方の癖や、靴が合っていないこと、足の変形が原因の場合も。あとは、トラブルを放置したことで、より悪化してしまうケースもあります。
――「外反母趾の痛みをかばうように歩く癖がついてしまったせいで歩き方が変になり、魚の目までできるようになった」(大阪府・70代・女性)という声もありました。痛みをかばうことでさらにトラブルが増える悪循環に陥ってしまうこともあるんですね。
【中塚さん】 魚の目をかばうことで身体のバランスが崩れて、膝や腰まで痛くなってしまったという方もいます。サロンのお客様でも「もっと早く来ればよかった! 楽になった」とおっしゃる方が多いです。トラブルや痛みを放置しないことが重要ですね。
足の爪は、“歩行”する上で思っている以上に重要な役割を果たしています。杖をついて来店された方が、施術後は足が楽になったせいか、杖を忘れて元気に歩いて帰られたり(笑)。分厚くなった爪が靴にあたって痛みがあった方が、ケアすることで靴がはけるようになり、外出できるようになったとの感想もいただきました。
――高齢者と同居する家族が、気をつけたいポイントは?
【中塚さん】 まず、「足を見てあげること」が何より大切です! 同居していても、足のトラブルは見逃していることが多いです。恥ずかしくて人に言えない、見せられないという気持ちがある方も多いので。
あとは足を洗ってあげるなど「清潔にする」こと、「こまめにケアする」ことでしょうか。トラブルを放置すると手がつけられなくなることもあるので。
たかが爪、されど爪! いつまでも元気に歩くためにも、足のトラブルは酷くなる前に早めにケアや予防を行って、足元環境を整えることを心がけてみてくださいね。
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いかがでしたか? 恥ずかしい、見られたくないという気持ちもあり、ついつい放置してしまいがちな足や足爪のトラブル。
「異変に気付くこと」、「トラブルを放置しないこと」、そして「自力でのケアが難しい場合は病院やサロンを頼ること」も時には必要となりそうです。いつまでも元気ですごすためにも、足の健康にぜひ気を配ってみてください。
(取材・文=中口のり子)