人を乗せて空を移動する「空飛ぶクルマ(※1)」 や「物流ドローン」を開発するベンチャー企業、スカイドライブ(本社・愛知県豊田市)の新型機「SD―05」が 、世界3大デザイン賞 のひとつ、 ドイツの「iFデザインアワード」(※2)を受賞した。
「SD-05」は、2025年の大阪・関西万博における空飛ぶクルマの飛行実現を目指す小型の空飛ぶクルマで、都市部の渋滞解消や過疎地での交通手段の確保、救急医療など、さまざまな個人のニーズに応えるのが目的。 これまでは1人乗りだった「空飛ぶクルマ」だが、「SD―05」は、乗客とパイロットの2人乗りで、白をベースに、鳥や動物のストリームライン(流線形)を研究して設計した。1,000回以上の飛行テストを経て、安定した飛行が実現できるという。
今回の受賞理由として、「The most accessible Flying Car(最も気軽に使える空飛ぶクルマ)」というコンセプトと、個性的でエレガントなデザインが挙げられた。今年(2023年)は56か国から約11,000 件の応募があった。
機体のサイズは全長9.4メートル、高さ2.7メートル。電動で、12基のモーターとプロペラで駆動する。最大航続距離は約10キロ、最高巡航速度は時速100キロ、飛行時間は5~10分を見込んでいる。1回当たりの充電時間は30分未満を目指す。
「SD-05」をはじめ、空飛ぶクルマは、大型化・重量化が進む eVTOL(イーブイトール・ヘリコプターのように垂直に離着陸する) 機体で、近距離に特化した近距離移動を想定した1~2人乗りの「パーソナルモビリティ」と位置付けられている。
スカイドライブは、すべてのユーザーが空港に行かなくても、自宅の近くで離着陸できるようになり、機能を確保しつつ、従来の航空機とは異なるデザインも実現したいとしている。
スカイドライブ・デザインディレクターの山本卓身氏は、「”空の道のパイオニア”として先陣を切ってきたスカイドライブ。前例や先人たちが積み重ねてきた知識も経験がほぼない環境の中、開拓者精神で一丸となって開発に取り組んでいるチームに拍手を送りたい。無人機の物流ドローンに続き、今回、有人機としての空飛ぶクルマもデザイン賞を受賞する事ができ、嬉しく思う。今後も”日常の移動に空を活用する”という目標のもと、空の未来、空の道のためにデザインが貢献できることは大きい」とコメントしている。