第一次世界大戦後、自由を求めて女性が社会進出したフランス・パリで交流した、画家のマリー・ローランサンとファッションデザイナーのココ・シャネルの足跡をたどる展覧会「マリー・ローランサンとモード」が京都市京セラ美術館(京都市左京区)で開かれています。
ローランサンとシャネルはともに1883年生まれで、芸術家が世界中から集まった華やかなパリで活動しました。
ローランサンはパステルカラーを使って女性を幻想的に描きました。シャネルはスポーツウェアのジャージー素材を女性服のデザインに取り入れ、活動的かつエレガントなファッションを提案して、それぞれ高い評価を得ました。
上流階級の女性の間でローランサンに肖像画を依頼するのが流行し、シャネルの依頼を受けてローランサンが描いた絵が今回、公開されています。『マドモアゼル・シャネルの肖像』はシャネルが40歳頃の肖像画で、やわらかなスカーフをまとい甘く気だるいポーズをとっています。
シャネルはこの絵を「似ていない」と受け取りませんでした。丈夫で動きやすく洗練された洋服を作る自分のイメージに合わないと思ったのかも知れません。シャネルは描き直しを望みましたが、ローランサンは毅然と断り、二人は仲違いしました。