子供から大人まで楽しめる兵庫県南あわじ市の農業公園『淡路ファームパーク イングランドの丘』。コアラをはじめ、たくさんの動物と出会える同園ですが、動物と一番近い距離で接しているのが動物飼育員です。
動物飼育員とは一体どのような仕事内容で、1日をどんなスケジュールで過ごしているのでしょうか? 飼育担当長・後藤さんが、ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西、月-木午後2時30分~)に出演し、リスナーの質問に答えました。
◆「飼育員さんの1日のルーティーンが知りたい」(ラジオネーム:ぺるさん)
【後藤さん】当園では飼育動物は担当制で、動物が安心できるように決まった担当者が交代で世話をしています。動物たちの世話は365日、休みはありませんのでゴールデンウィークや盆・正月も常に誰かが出勤しています。飼育員の1日のスケジュールを紹介すると……
●8:00頃/出勤・準備
出勤したらまず開園前に動物たちに変わった様子は見られないかひと通り確認を行います。夜の間に動物たちに異変がなかったことが確認できたら動物たちを寝室から展示場に移動させます。次は来園された方々が気持ちよく施設を利用していただけるように、園路の清掃を行い開園に備えます。清掃と並行して設備に不具合はないか等の確認も怠りません。
開園前には担当者が一同に集まって朝礼を行います。朝礼では各持ち場のその日の予定や展示状況、また動物飼育担当以外の部署の情報も共有します。そして朝礼が終わるとまもなく開園時間となります。
●9:30 開園〜動物たちの世話
飼育員たちは各担当場所へ向かい、調餌と動物たちの寝室の掃除に取り掛かります。「調餌」という言葉は聞きなれないかと思いますが、わたしたちの食事を用意することを「調理」と言いますよね。同じように動物の餌を用意することは「調餌」と言います。野生下で食べているものにできるだけ質や栄養価を近づけて健康を維持しつつ動物たちの満足度も上げられるよう努力しています。同じ動物種でも性格や年齢などによって餌の大きさや切り方などを変えて完食してもらえるよう工夫する必要があり、その日の体調によっては調餌内容を変更することも珍しくありません。
調餌が済んだら「給餌」、つまり各動物たちに餌を与えます。餌の食べ方にも健康状態が表れるので、普段より食べるスピードは遅くないか、嚙み方に違和感はないか、食べ残しはないか、群れで飼育している動物の場合は満足に食べれていない子はいないか、など限られた時間の中で観察するべき事は多いです。
動物によっては一日複数回給餌のタイミングが種もいれば、コアラのように一回給餌した餌を一日通して少しずつ食べるような種もいます。