脇汗をかきやすい人が併発しやすい諸症状とは? 首肩こり、喉の詰まり、生理痛… 簡単ストレッチで解消 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

脇汗をかきやすい人が併発しやすい諸症状とは? 首肩こり、喉の詰まり、生理痛… 簡単ストレッチで解消

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 これから夏に向けて、汗が気になる季節になってきました。汗をかきやすい部位には個人差がありますが、なかでも「脇汗」をかきやすい人が起こしやすい諸症状があるのをご存知でしょうか?その解消法として「肋骨ほぐし」という簡単ストレッチ法がTwitterに投稿され、1.3万いいねを集めて反響を呼びました。

脇汗をかきやすい人が併発しやすい諸症状とは?(※画像はイメージです/(C)イラストAC)

 ツイートを投稿したのは、クボ鍼灸院(東京都墨田区)の久保和也院長(@kubo_tubo)です。久保院長に、東洋医学の観点からみた体のメカニズムと解消方法について、詳しく聞きました。

ーー脇汗をかきやすい人が起こしやすい諸症状について、教えてください。

「脇に汗をかきやすい人は、体全体の力が抜きにくく、交感神経優位で過緊張になっている状態が長く続いているというケースが多くみられます。体にギュッと力が入ることで血流が悪くなりますので、血液が運ぶ酸素が全身に行き渡らず、さまざまな不調を引き起こしてしまうのです。

 具体的には、首肩こり、よく足をつる、爪がもろくなりやすい、腹筋がガチガチ、生理痛が重い、ドライアイなどを併発していることがあります。さらに緊張が強くなると、喉の詰まり感、逆流性食道炎、下痢と便秘を繰り返すこともあります。

 もちろん、脇汗をかきやすい方全てにこれらの諸症状が現れるということではありません。しかし、もし脇汗というサインがあったり、これらの症状が多く当てはまるようであれば、体質の傾向を知ることができますので、予防や治療につなげていくことができます。

 今回投稿したツイートへのリプライでも『自分に当てはまる』という声を多くいただきましたが、東洋医学は2000年以上の歴史のなかで、膨大な人々の病状を診断・分析した経験的医学であり、統計学ともいえます」

ーー脇汗をかきやすい人の体質の傾向について、教えてください。

「私は『緊張こわばりタイプ』とも呼んでいますが、仕事で集中しているときや考えごとをしているときなどに、肩や首に力が入りすぎていて、筋肉が縮こまってしまっている状態になりやすい傾向があります。血管が凝縮し、血の巡りが悪くなりますので、結果、内臓の働きが悪くなってしまいます。

 東洋医学では、患者さんの病状や体質を診断し、体全体の『気・血・水』の流れを見ることで、原因を解明していきます。体質を『五行』(木・火・土・金・水)に分類し、診断や治療方針の基本とする考え方がありますが、脇汗をかきやすい人は、このうち『木』の体質に当てはまりやすいです。

『五臓六腑』という言葉がよく知られていますが、五臓とは『肝、心、脾、肺、腎』、六腑とは『胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦』となります。『木』は、五臓の『肝』、六腑の『胆』に分類されますので、『肝経』と『胆経』を整えることで、さまざまな体の不調を改善することができます。

 この『五行色体表』では、『木』は他にも、『目』『筋』『怒』『呼』『握』が該当します。目の疲れや充血、関節痛やけいれん、イライラや顔のほてり、偏頭痛なども起こりやすいため、日頃から意識し、体のバランスを整えていくことが大切です」

ーーツイートで紹介されていた「肋骨ほぐし」について、教えてください。

「こうした体質の方は、脇腹や胸部に圧迫感を感じて息苦しさや痛みを感じる場合があり、この状態を東洋医学では『胸脇苦満(きょうきょうくまん)』といいます。この左右の脇腹の上部のあたりを、両手で1分ほど軽くマッサージをするようにほぐしてあげるのが、『肋骨ほぐし』です。

脇腹上部のあたりを、両手で軽くマッサージする『肋骨ほぐし』(提供:クボ先生│鍼灸師)

『肋骨ほぐし』をすることで、脇腹あたりの筋肉の緊張をゆるめ、身体全体をリラックスさせることができます。『肝経』と『胆経』の流れも良くなり、血流改善にもつながります。『肋骨ほぐし』はすぐ簡単にできますので、仕事中や体の疲れを感じたときなどに、是非、こまめに実践していただければと思います。

『肝経』と『胆経』を整えるためには『肋骨ほぐし』の他にも、内ももをほぐしたり、両手を上にあげて伸びをしたり、上半身の脇腹横を伸ばすことも有効です。また、呼吸が浅くなりやすい方も多いため、深呼吸を意識してみるのもよいでしょう。

 現代の生活習慣では、体全体の筋肉を効率よく使うことが難しくなってきています。自身の体質を知り、しっくりくるセルフケアを日常に取り入れていくことで、自分の力で健康を維持できる体づくりをしていただけたらと思います」

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