ケイト・ブランシェット主演。才能と努力でクラシック界に君臨する女性指揮者の狂気を描く、映画『TAR/ター』が全国ロードショー公開中です。
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主人公は才能と実力に優れた女性指揮者、リディア・ター。彼女はアメリカの5大オーケストラで指揮者を務めた後、ドイツのベルリン・フィルの首席指揮者に任命されました。
ターは作曲家としても活動していて、エミー賞・グラミー賞・アカデミー賞・トニー賞のすべてを獲得しています。ベルリン・フィルでは来月、マーラーの交響曲第5番をライブ録音して発売することになっていて、さらに自伝の出版を控えプライベートジェットで世界を移動する多忙な日々を送っています。
ターの恋人はオーケストラのコンサートマスターでヴァイオリン奏者のシャロン。ターは彼女と同居しながら養女を一緒に育てています。
並外れた才能と努力で今の地位を獲得し、プロデュース力を発揮して世界最高峰のオーケストラの指揮者として君臨するターですが、新曲の創作に苦しんでいました。仕事部屋にこもって作曲に没頭するのですが、幻聴に悩まされます。また交響曲第5番の演奏は彼女の思うように進まず、ターは焦っていました。