パリも大阪と同時に立候補したが、辞退した(※)経緯がある。しかしフランスでは今年(2023年)にラグビー・ワールドカップ、2024年にはパリ五輪と、世界レベルのイベントが続く。 メール氏は「2024年夏のパリ五輪でも、大阪・関西万博に出展するパビリオンのアピールもしたい」と意欲を語った。
フランスは、1855年に第1回パリ万博を開催して以来、長い歴史の中で、パビリオン建設に関して”リサイクル”は常に考えているテーマだと考えている。
SDGs(持続可能な開発目標)への機運が世界レベルで急速に高まる中、「廃棄するものは、なるべく少なく」という考え方を根底に置いている。
現在、設計やデザイン案のコンペティション(審査)が行われているパビリオンについて、メール氏は「デザインや華やかさよりも、リサイクル可能かどうかが重要な観点。例えばメタル(金属)はリサイクル可能だが、資源としては希少となっている。こうしたことも踏まえて設計できるかも重要。約半年間の開催期間のために建造して、閉幕すれば壊して廃棄するだけの存在ではない」と強調し、レンタル機材の積極的活用も視野に入れている。
パビリオンのコンペティションは最終段階まで進んでいる。(2023年)7月上旬に最終決定し、土壌検査などを経て、フランスの新年度が始まる9月には建設に取り掛かる見込み。設計チームは下見のため、約1か月前から大阪入りしている。
※フランスはパリ郊外のサクレ―地区を候補地に挙げていたが、2018年2月、財政再建などを背景に立候補を取り下げた。これにより2025年万博の候補は日本(大阪)、ロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)の3か国に絞られ、同年11月、博覧会国際事務局(BIE)総会の加盟各国の投票で大阪が選ばれた。