神戸市立須磨海浜水族園を舞台にした映画『スマスイ』が、動画投稿サイトYouTubeで無料公開されている。スマスイの愛称で親しまれてきた同園が5月31日に閉館を迎えるにあたり、その姿をまぶたに残し、多くの人に思い出を重ねて観てもらいたいと企画。30日午前0時に始めた。
![](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/05/%EF%BC%94%EF%BC%9A%EF%BC%93%E3%83%81%E3%83%A9%E3%82%B7.jpg)
同園は、1957年に神戸市立須磨水族館として開業した。その後、87年に特徴的な三角屋根の本館を中心とする姿に全面改装し、名称も須磨海浜水族園に改めた。
![須磨海浜水族園 60周年当時(2017年撮影)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/05/2017_2-1024x768.jpg)
市内外から多くの客を呼ぶ人気施設だったが、開館から35年が経過し老朽化が進んだことから建て替えが行われている。工事開始後も客を迎え続けた本館も、31日に営業を終了。1年後に「神戸須磨シーワールド」としてリニューアルオープンする予定になっている。
映画『スマスイ』は、旧施設の記憶を次世代へつなごうと2019年に企画、製作されたもの。当時、同園飼育教育部長を務め“ユニーク飼育員”として知られた大鹿達弥さんが発案した。地元のIT関連企業や放送局、NPO法人などに加え、地元の病院やタクシー会社などもロケに協力して完成した約70分の“長編”だ。
![建て替え前の姿を残す映画のワンシーン(写真:「スマスイ」製作委員会)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/05/%E5%BB%BA%E3%81%A6%E6%9B%BF%E3%81%88%E5%89%8D%E3%81%AE%E5%A7%BF%E3%82%92%E6%AE%8B%E3%81%99%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%80%82%EF%BC%88%E5%86%99%E7%9C%9F%EF%BC%9A%E3%80%8C%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%80%8D%E8%A3%BD%E4%BD%9C%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%EF%BC%89.jpg)
物語では、仕事を失い、妻に逃げられた主人公・田中一郎が、新しい職場に選んだスマスイで新米飼育員として奮闘する。スマスイを訪れる3組のペア、就職活動と将来に悩む大学生カップル、妻の仕事復帰を機に家族関係がぎくしゃくする夫婦、病を患い余命宣告を受けた医師とその妻。それぞれがパートナーとの関係に向き合いながら、未来への一歩を踏み出していくなか、一郎も人々の優しさあふれるスマスイで成長を遂げていく……。
映画には、神戸の劇団赤鬼のメンバーや、スマスイで働く多くのスタッフ、そして、イルカやリクガメ、ラッコ、ゴマフアザラシ、ペンギン、熱帯魚など人気の生き物たちも出演した。
![映画『スマスイ』撮影風景(写真:「スマスイ」製作委員会)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/05/%EF%BC%94%EF%BC%9A%EF%BC%93%E3%83%90%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%89.jpg)
![映画『スマスイ』撮影風景(写真:「スマスイ」製作委員会)](https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads/2023/05/%EF%BC%94%EF%BC%9A%EF%BC%93%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%82%82%E5%87%BA%E6%BC%94.jpg)