――座布団ケーキはどのように作っているのでしょうか?
【小住さん】詳しくは言えないのですが、ケーキの型取りをCAD(主に建築業界で使用される設計ツール)でしています。僕、建築学科出身なのでCADが使えるんです。「網目はこの形がいいな」「容量この方がいいかな」などさまざまな方向から設計、3Dプリンターでプラスチックの型を作ります。そこにシリコン素材を流し込めばケーキ型ができる……というのがまず最初の大きな工程です。ケーキ業界ではあまりないやり方だと思います(笑)。
『Masahiko Ozumi Paris』のケーキは、ぱっと見はわからないですが「実はみなさんの知っているケーキですよ」というのが特徴です。例えば普通のショートケーキやモンブランって見た目で味がわかりますが、当店のモンブラン(座布団モンブラン)やカバン型のチーズケーキなどは食べるまでどんな味なのか想像が付かないと思います。お客様には見た目を楽しんでもらいつつ、味を想像しながらケーキを選んでいただければと思います。
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小住さん曰く、ケーキのデザインの元ネタはネットに上がっている画像や街で見かけたものなのだそう。常にアンテナを張っていて、気になればどんどんストックしていくそうです。また使用する食材も、実際に生産者に会い、話を聞きに現場に赴くなどして小住さん自身がリアルに感じたものとのこと。同店の座布団モンブランやカバン型のチーズケーキように、“スイーツの概念を覆すケーキ”が、今後さらに登場してくるかもしれませんね!
(取材・文=弘松メイ)
◆Masahiko Ozumi Paris
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