起業、倒産、再起……。ビジネスのすべてを経験した経営者が、これまでの経験や現在の心境をラジオ番組で語った。
20歳で起業し、中古車販売業を経てアミューズメント業界へ。年商約80億の企業へと成長させたものの、負債総額84億円を抱えて経営破綻した経験を持つのは、藤澤義仁さん。しかし、その逆境からはいあがり、今では倒産経験や教訓をいかして中小企業向けの経営コンサルタントとして活動している。
経営破綻を経て、再起の道を歩み始めた藤澤さんは現在に至るまでを次のように語る。
「もう一度事業を始めるときに(倒産した経験が)いきた。『こうしたほうがいい』『こういうことはやらない方がいい』というのを凝縮してスタートができるという点では、一度失敗した人は次の事業がうまくいくんじゃないかな。経営者自身がどういう気持ちでやるか次第。『自分は失敗したんだ』という思いを持ち続けていたら、再起は叶わない」(藤澤さん)
倒産を経験したことで「変な“しがらみ”をすべて削ぎ落とせた」「自由な羽が生えた状態で、イチからまた好きなことをできる。そこがプラスだと思えた」と前を向く藤澤さん。もちろん「迷惑をかけたことは絶対に忘れない、忘れちゃいけない」と、自戒の念は常に持つ。
過去への反省を踏まえて、「これまでの経験を次世代の起業家や経営に苦しむ経営者に伝え、支援していくことこそが使命」と、今では自身が運営するYouTubeチャンネルで、企業経営、倒産のリアル、再起の道のり、現在に至る思いなどを赤裸々に語っている。
「経営に苦しみながら誰にも本音を言えない人たちがいる。自身の知見・経験を発信することで少しでも力になりたい。どう対処すればいいのかを伝えたい」と率直な思いを口にした藤澤さん。今まさに経営に苦しむ人たちに向けて「どうしようもならなくなったときでも再起する道はあるから、あきらめないで」とメッセージを届けた。
藤澤さんの話に対して、「倒産すると迷惑がかかる人もいます。その人への謝罪は忘れちゃいけない」とくぎを刺したのは、ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』パーソナリティーで、連続起業家として活動する、CEOセオ。それでも、「それ(倒産したこと)を一生引きずるという考え方でやるのではなくて、ポジティブに考えて」「他責にするのはダメだけど、(再起は)ある程度は許容してもいいのかなと思う」と、藤澤さんの今に理解を示していた。
【この日のリクエスト曲】
織田哲郎『いつまでも変らぬ愛を』
※ラジオ関西『セケンテー/ぼくらは囚われない』2023年5月20日放送回より
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『セケンテー/ぼくらは囚われない』
放送日時:毎週土曜日 20:00~
放送局:ラジオ関西(AM 558KHz / FM 91.1MHz)
連続起業家兼アーティストのCEOセオとフリーアナウンサー田中大貴がパーソナリティを務める。