5月28日に開かれた「第50回神戸まつり」は、新型コロナの影響で4年ぶりということもあり、華やかなパレードの他、ステージや各種ブースも大盛況だった。
その中では島根県のブースも展開され、県産品の石見ポークを使った特製コロッケや、石見のソウルフード「赤てん」、地元の農産物を使ったクラフトビールなどが販売された。
ブースを手がけたのは、大阪で青果販売店を営む水津満共さん。店を構えるのは吹田市だが、水津さん自身が島根県浜田市の出身とのことで、故郷を盛り上げたいとの思いがあり参加した。
水津さんは高校卒業後、大阪のアパレルメーカーに就職。小売りの統括などを担当していた。ある時、地元の浜田市で農家の生産者とふれあう機会があり、自分で何かしたいと思うようになったそう。そこで、「島根は、いいものがたくさんあるのにアウトプットが上手ではない。橋渡ししたい」と一念発起。30歳を機に11年勤めたアパレルメーカーを退社し、2015年、自身の店「FARMAN KITCHEN MARKET(ファーマンキッチンマーケット)」をオープンした。
水津さんが選ぶのは、調味料なども含め6割が島根県産という。ミニトマトや生姜、ジャガイモ、サツマイモ、シイタケ、アスパラなどの野菜や、味噌、醤油、ドレッシング、豆腐、はちみつ、お茶などの調味料や加工品も。総菜や弁当も、浜田産のサバを使ったサバサンドや、島根の食材をメインにした内容など、島根県ゆかりのものを扱う。
おいしさはもちろん、一つひとつの商品についてしっかりと語ることができる要素があるものを選ぶなど、品質やクオリティは妥協しない。時には農家に生産する野菜の提案も行っているのだそう。
水津さんは「故郷の浜田市は海も山もあり、水産業も盛ん。農業地帯としても適していて、食が豊か」という。今後は島根県の生産者やメーカーと商品を企画し、島根ブランドを立ち上げたいと話した。