《神戸・男子高校生殺害事件 裁判員裁判》 遺族が意見陳述 姉、泣き崩れ「奪っていい命はない」母、夢の中で「将太は16歳のまま」父、毅然と「私たちの心も殺された」 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《神戸・男子高校生殺害事件 裁判員裁判》 遺族が意見陳述 姉、泣き崩れ「奪っていい命はない」母、夢の中で「将太は16歳のまま」父、毅然と「私たちの心も殺された」

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 神戸市北区の路上で2010年10月、堤将太さん(当時16歳・高校2年)が殺害された事件で、殺人罪に問われた元少年(30・事件当時17歳 記事上は「男」と表記)の裁判員裁判・第4回公判が12日、神戸地裁で開かれた。

 男は「(将太さんに対する)殺意はなかった」として、起訴状の内容を否認しており、弁護側は善悪の判断が著しく低下する「心神耗弱」状態だったとして刑の減軽を求めている。争点は男の責任能力の程度と殺意の有無で、判決は23日。

 12日午前は、将太さんの家族5人が、それぞれ法廷で意見陳述した。

神戸地裁

 まずはじめに、将太さんの2歳年上の兄が「事件の前日、将太とけんかしたのが最後。まだ仲直りしていない。『きのうはごめん』と言えないままだ。家族を失った喪失感は大きく、被告に対する怒りは収まらない。(被告について)法廷で真実を語られたとは思っていない」と述べた。

 8歳上の姉(次女)は「(2021年8月)事件から10年10か月での逮捕、私たち家族にとって、止まった時計が動き出した。『なぜ、こんなことになってしまったのか』と真実を聞きたかったが、被告の反省のない態度に怒りがこみ上げる」と涙ぐんだ。

 9歳上の姉(長女)は泣き崩れ、言葉にならなかった。しかし、「まだ16歳だった将太。人って、こんなに簡単に死んでしまうのだろうかと思った。奪ってもいい命など1つもない。(犯人逮捕までの長い年月、情報提供を求める将太さんの父親・敏さんについて)終わりのない父の姿を見るのがつらかった」と声を振り絞った。

亡くなった堤将太さん<2010年8月 USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)で撮影>

 母親・正子さんは、男のほうを何度も見ながら陳述書を読み上げた。

「夢の中で『ただいまー』と玄関先から将太の声がしたが、(生きていれば)29歳の姿が見えてこなかった。心の中の将太は16歳のまま。私たち遺族は、望んでこのような状態になったのではない。将太を返して。被告は罪を償えば、それで終わりと思っているのか」と怒りをあらわにした。

 最後に父親・敏さんが、「将太が殺害され、私たちの心も殺された。事件後、妻(正子さん)と、将太との思い出の場所を巡り歩くことが多くなった。しかし、そこには将太はいない。将太があなた(被告)に何をしたのか。まだまだ生きていたかった将太を返してほしい。私たちの生活を戻してほしい」と訴えた。

 被告の男は被告人質問(第2回公判)で、事件について「異常なことをした」と述べる一方、「不良のような若い男性に反感を持っていた。(将太さんを見かけて)自分に危害を加えようとすると思い、追い払おうとしてナイフで刺したが、殺そうという気はなかった」と釈明した。

 これについて敏さんは「他人を、自分の勝手な思い込みで殺してしまうのか」と述べ、男が逃亡期間中にこの事件を大事にした小説を執筆し、電子書籍として公開していたことについて、「自己顕示欲のためなのか、一日一日罪を重ねてきた」と述べた。

 そして最後に「私は、事件が起きた2010年10月4日から、被告が逮捕される2021年8月4日まで、1つの事件として受け入れてきた」と述べ、反省の様子がみられない”いら立ち”から、「再犯の可能性も高い」と語気を強めた。

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