定年退職による仕事の引退や子育てがひと段落したことから家で過ごす時間が増え、その結果社会参加する機会が減ったという人は多い。神戸市では、高齢者の外出機会の増加や社会参加の促進を図るための施策「KOBEシニア元気ポイント」を2020(令和2)年10月から実施。8月まで登録キャンペーンも行っている。
本施策の目的は、高齢者の外出機会を増やし、さらには社会参加の促進を図ること。実は、毎日頻繁に人と交流する人と比べて、月1回〜週1回未満の人は数年後、要介護状態になりやすいという調査結果がある。つまり、社会参加は介護予防(フレイル予防)にもつながる。
「KOBEシニア元気ポイント」は、神戸市内に住んでいる65歳以上の方が介護保険施設やこども施設で対象となる活動を行なった際に貯めることのできるポイントで、貯まったポイントは現金と交換することが可能。活動受け入れ施設は、特別養護老人ホームやデイサービスセンター、認定こども園や児童館などがあり、公式HP内の「活動者向け情報」ページで探すことができる。
実際に活動に参加するには、まず説明会への申し込みが必要。説明会は区役所や文化センターなどで開催されており、電話やFAX、メールなどでの申し込みが可能だ。説明会で「活動者」登録を行なったあと、希望の施設へ連絡・面談を経て活動することができる。説明会の開催日程や申し込み方法など、詳しくは公式HP内「参加登録方法」ページで確認できる。
付与されるポイントは活動時間数によって異なり、2時間未満で100ポイント、2時間以上で200ポイントが付与される。また、ポイントの付与には上限があり、1日あたり200ポイント、年間8000ポイントが上限となっている。
通常、1ポイント=1円に交換することができ、現金への交換は年度末に申請書を提出することで完了する。ちなみに、ポイントの交換は1000円単位となる。
活動内容は介護施設での配膳補助、入浴補助などが最も多く、清掃、演奏や歌の披露、子ども施設での見守りなどのほか、神戸まつりや神戸マラソン、プロバレーボールチームの試合などのイベント運営補助の活動もある。
5月末時点での登録者数は1671人(男性531人、女性1140人)。年代別で最も多いのは70〜79歳で、1046人。80歳以上の人も登録しており、その数は320人にもなる。活動受入施設は219施設あり、なかでも最も多い高齢者施設は165施設、こども施設は54施設が登録されている。活動を始める理由としては「誰かの役に立ちたい」「外出するきっかけにしたい」という声が多く挙げられる。
神戸市福祉局介護保険課の三谷一仁さんは「少ない頻度でも、とにかく気軽に始められる活動になっている。今なら8月まで登録キャンペーンで800ポイントがもらえるので、気軽に問い合わせてほしい」と語った。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2023年6月11日放送回より
◆KOBEシニア元気ポイント事務局
電話番号:078-335-6543
受付時間:月~金曜日(午前9:00〜午後5:00)
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