［ダイエー・中山］神戸市内22店舗で活動に参加しています。お客さんに詰め替えパック回収を知ってもらうために、パックを使った商品を置いている売り場のあちこちにポスターを吊り下げています。スーパーの店頭で資源を回収するのはスタンダードな活動になってきているが、詰め替えパック回収については今もあまり知られていない。当初、1カ月で5㎏の回収が目標だったが、（ダイエー）名谷店では12㎏集まった。「詰め替え商品を売っている場所で使用済みパックも集めた方がいいのでは」という売り場責任者のアイデアから、回収箱を衣料品の洗剤コーナー、日用品の受け付けコーナー、レジと3カ所で展開した。それによって大量に回収することができたと思います。
―お客、従業員の反応は。
［コープこうべ・松井］組合員さん（客）からは「神戸市以外の店にも回収箱を置いてほしい」との要望や家庭にあるごみが「資源にならないか？」との問い合わせも寄せられています。1990年代以降、「ごみを減らしたい」「資源を節約したい」という声が高くなってきた。今のコープこうべの店頭回収も、組合員さんからの意見で発生したもの。今回の詰め替えパックも「処分方法に困っていたので助かる」との反応がある。もともと組合員さんの意識が高かったのに加えて、世間のプラ削減という流れにも合っていた。たいへん良い取り組みだと思っています。
［ウエルシア薬局・朝比奈］授業員、パートの方も主婦が多いので、「使用済み詰め替えパックを家から持ってきて」とお願いしています。
［光洋・林］今日、座談会に参加するにあたって、情報を集めようとしていたら、レジのパートの人がメールをくれました。社全体としては、「こういう取り組みをしています」ということをメールや社内報で呼び掛けている。
［ダイエー・中山］まず従業員がやる気になることが大事だと思います。一方で、本社は店ごとにどのくらい集めたかを把握している。ゲーム感覚で店舗同士が競い合ったら相乗効果が生まれ、神戸エリアの店舗全体で頑張ろうという意識が高まっていくのではと期待しています。
―今後の課題、展望などは。
［コープこうべ・松井］環境の取り組みを学ぶセミナーを開催していて、その中で神戸市の方に講師となってもらい、詰め替えパックリサイクルについて勉強会を開いたことがある。実際に（リサイクルについて）知ると協力しないといけないね、という意識が高まるのは確かなので、これからも同様の取り組みは続けていきたいです。
［ダイエー・中山］牛乳パック、アルミ缶、食品トレーなどは認知されているが、詰め替えパックのリサイクルはあまり知られておらず、今のところ世の中のスタンダードではないと感じています。牛乳パックやトレーはキッチンや食卓で使うものなので、シンクですぐに洗うのが習慣化されているのかもしれないが、詰め替えパックはその点、一手間掛かる。とくに注ぎ口が非常に小さいので、詰め替えパックを切って半分だけ洗って入れるなど、違ったやり方もアイデアの一つとして考えて良いかも。
［光洋・林］詰め替えパックの中は、ざっと洗っただけではなかなか落ちない場合が多いですよね。私は洗濯物と同じ扱い。洗濯物と一緒に物干しに並べて乾燥させている。朝干して夜帰宅したらすっかり乾いています。回収箱に入れる詰め替えパックは、原型を止めている必要はなく、合計重量で換算するので、真ん中でスパッと切って洗ったら楽。
［ウエルシア・朝比奈］確かに中が濡れていると、カビや悪臭の原因になるし、運搬する車が汚れるリスクもある。できるだけしっかり乾かしてほしいですね。私は「何を回収しているかがよく分からない」との声をお客さんや従業員から聞きます。具体的には「洗剤やシャンプー以外にミートソースのパックはいいのか？」など。出して良いのは何なのか、はっきり分かるよう表示に気を付けている。生活者としては、ごみを出すことになんとなく後ろめたさがある。リサイクル参加によって、その気持ちがプラスに転じるかもしれないのがとても良いことだと思います。コマーシャルなどで、こういう取り組みをしていることをもっと広めていけたらと思うし、いつか店舗で関連イベントもやってみたい。たとえば、資源を持ってきてくれたら、お子さん向けに風船をプレゼントしたり。楽しい雰囲気の中で、リサイクル活動を盛り上げていけたらと考えています。
