失語症や運動・感覚の麻痺など、後遺症の種類や発症率が高いことで知られる脳卒中。実は、それら後遺症のひとつに「うつ病」があります。うつ病の発症率は全体の約3割にものぼり、その後の生活やリハビリなど影響を及ぼす範囲は少なくありません。なぜ脳卒中後はうつ病になりやすいのか? 原因や症状、治療方法などについて、吉田病院付属脳血管研究所(神戸市兵庫区)吉田泰久院長に詳しく聞きました。
――脳卒中後はうつ病を発症しやすいのですか?
およそ3割程度が発症するといわれています。
――なぜ発症しやすいのでしょうか?
脳卒中は突然の変化でもありますし、脳の病気であることも原因なのかもしれませんね。
――うつ病を発症したことは自覚できるものなのでしょうか?
自覚できる人は少ないかもしれません。症状としては元気や食欲がなくなったり、極端な場合は「死にたい」と思うようになってしまいます。この場合は本格的に薬を服用する必要がでてきますね。
――脳卒中により脳内の血管に障害が起こったことで、感情面にも影響が出るのでしょうか?
そうですね。
――うつ病はそのままにしておいても問題ないのでしょうか?