普段何気なく飲んでいる、ペットボトル入りのミネラルウォーター。その中身は、どこからやってきたどのような水なのでしょうか?
ミネラルウォーター市場で20年以上売り上げ日本一を誇る「サントリー天然水」。中でも関西エリアなどで販売される商品を生産する工場を訪れ、その水のルーツを探りました。
実は、サントリー天然水には、地域により4つの種類があります。水源の場所がそれぞれで違い、成分や味わいも少しずつ異なるそうです。東日本、関東エリアでは南アルプス(山梨県)、東海・中部・北陸エリアでは北アルプス(長野県)、近畿・中四国エリアでは奥大山(鳥取県)、九州エリアでは阿蘇(熊本県)が主に販売されています。
今回取材したのは、近畿・中四国エリア分を生産する「天然水奥大山ブナの森工場」(以下、奥大山工場)。鳥取県日野郡江府町、日本最大級のブナ原生林が広がる奥大山に立地しています。大自然の中にポツンとそびえる建物は、博物館のようないでたちです。
奥大山工場では、550ミリリットルのペットボトル換算で、1分間に約1000本の「天然水」を製造しています。奥大山地域に降った雨や雪が地面にしみ込み、20年以上かけてゆっくりと水脈になるという循環のもと、山全体を濾過装置と捉えた「自然共生型工場」として2008年から操業を続けています。
工場は、予約をすれば見学することも可能です。今回の取材では、水の出どころについて、プロジェクションマッピングを活用して天然水の誕生物語を学んだり、水を蓄える土にまつわる実験を行ったりと、製造ラインの見学だけに留まらない充実した知識を得ることができました。